2015年3月3日0:00
大日本印刷株式会社
決済連動マーケティング「マルチペイメントサービス」を開発
複数の決済手段にワンストップで対応し、購買情報を活用した販促を実現
大日本印刷では、加盟店のクレジットカードやプリペイドカードといった決済インフラを共通化し、さまざまなサービスを提供できる「マルチ決済ゲートウェイサービス」と、その決済手段の履歴情報を活用した販促を実現できる「決済情報を活用した販促サービス」による『マルチペイメントサービス』を2015年秋から開始する予定だ。国内においても決済と販促を連動させた、総合的なサービスの提供が進められるなか、国内最大手の印刷会社であり、決済などの金融分野、ポイントサービスといったCRM領域においてコンサルから施策の実行までを支援し、様々な業界の販促ROI向上という実績を積み上げてきた同社の「総合力」を結集させたサービスとなっている。
2020年に向け決済インフラ環境整備は加速
販促・送客基盤、顧客基盤、決済基盤を連動
国内の決済市場は、2014年から15年にかけ国際ブランドプリペイドやデビットカードの発行拡大が進み、2016年以降は東京五輪に向けて、決済インフラの整備はさらに加速する見込みだ。流通企業にとっても、セキュリティ対策の強化、利便性の拡大(利用可能な加盟店、決済チャネルの拡大、海外で発行されたカードへの対応)などが求められる。
例えば、セキュリティ面では、EMV ICカードへの対応やペイメントカードの国際セキュリティ基準「PCI DSS」への準拠などが必要となる。また、Appleの「Apple Pay」をはじめとしたモバイル決済、生体認証等の次世代決済など、新たな決済手段が増えることが予想される。さらに、ポイントカードやメール会員、ECサイトの利用者など、ネットとリアルをまたいだ一元管理も重要になると思われる。当然、顧客の決済やポイントの履歴から、販促・プロモーションへの利活用につなげていく狙いもあるだろう。
大日本印刷では、流通企業の効率的な決済や販促の実現には、「販促・送客基盤」、「顧客基盤」、「決済基盤」の3つの基盤が連動することが大切であると考えている。店舗にとっては、新たな決済手段の登場やセキュリティ対策の強化により、店舗のインフラが刷新されることが予想されているため、「マルチ決済ゲートウェイサービス」および「決済情報を活用した販促サービス」を連携させた『マルチペイメントサービス』を2015年秋にリリースする予定だ。
加盟店の決済インフラを共通化
決済手段を横断した販促施策を実現
「マルチ決済ゲートウェイサービス」は、クレジット、プリペイド(非接触電子マネー、ハウスプリペイド、国際ブランドプリペイド)、デビットといったさまざまな決済事業者との接続を束ねて効率的に導入し、POSで処理された決済情報の管理もセンターにて集約できるゲートウェイセンターとなる。さまざまな決済に対応した決済システムを加盟店の負荷を軽減し効率的に導入し、加えてPOS情報の集約・管理も可能な仕組みである。
一方、「決済情報を活用した販促サービス」は、従来、加盟店が実施してきた販促活動の中心であるハウスポイントカード活用から一歩踏み込んで、さまざまな決済情報を活用した販促基盤を提供可能だ。さらに、スマートフォンアプリなど、新たな販促システムに柔軟に対応する。
これにより、流通企業は2020年に向けて起こる環境変化に、コストを抑えつつ加盟店ごとに異なるであろう業務方針やシステム環境に柔軟に対応でき、同時にPCI DSS対応のセンターにおいて決済情報や購買情報を集中管理可能だ。また、情報の集約により、ポイントや決済による購買情報と連動した新たなCRMが実現できるという。
同サービス提供の背景として、これまでの国内における決済サービスの課題が挙げられる。昨今、国内でもさまざまな決済サービスが登場しているが、複数の決済手段を導入するためには、それぞれのネットワークおよびサービス事業者への接続が必要だった。また、これまで企業では、ポイントカード等により情報を吸い上げ、自社で管理している顧客のみに販促活動を行ってきた。さらに、各サービス事業者では、それぞれ個別に特典を提供しており、流通企業にとって自社の販促活動と各サービス事業者の特典を連携し、トータルに効果的な販促施策を実施仕切れていないのが現状だそうだ。
具体的なサービスの概要は、「マルチ決済ゲートウェイサービス」により決済の仕組みを振り分けて管理。対面・非対面の決済中継に加え、購買履歴の一元管理、売上集計・データ還元、ヘルプデスク運営などを行う。
「マルチ決済ゲートウェイサービスは、安心・安全・効率化をテーマにした仕組みとなります。決済の中継、対面・非対面に対応することで、オムニチャネルによる情報の集約化が行えます。また、データ還元も複数の決済にまたがって一元的に提供でき、複数の決済ごとに発生する業務負荷を軽減するための業務支援も行います」(大日本印刷 C&I事業部プラットフォームサービス本部 ペイメントプラットフォーム事業開発室 室長 西田真氏)
「決済情報を活用した販促サービス」では、集計・分析、販促管理、効果測定の実施が可能だ。流通店舗のPOSを活用し、決済の上り電文から、顧客の状態や販促サービスのターゲットに対して下り電文分でクーポンを出すことができる。また、流通店舗がカード履歴を活用し、独自のCLO(Card Linked Offer)サービスを行えるなど、決済手段を横断した販促(特典)計画が策定できる。
クレジット、プリペイド、ポイントなどに対応
加盟店本部で決済情報を一元管理
サービス開始時点での接続のラインアップとしては、クレジットカード(銀聯(ぎんれん)カード、DCC決済機能)、ハウスプリペイド、ハウスポイント、共通ポイント、国際ブランドプリペイド(直収)を想定。また、電子マネー、カード会社のポイント決済、ギフトカードモール事業者、スマホ決済事業者など、順次サービスは追加していく予定である。流通企業は、各サービス事業者と契約するだけで、個別のネットワークを用意する必要はない。また、サーバ側にデータを集約できるため、将来的な拡張性を低価格で実現することができる。
オプションとして、売り上げデータ集計や請求予定のデータの確認、請求データの突合や差分調査を加盟店本部で一元管理できる機能も提供する。例えば、ショッピングセンターやチェーン店においては、入金や売上の管理業務効率化が期待できる。
「決済に関わらず、共通ポイント、ハウスポイントサービスにおけるサポートも可能です。大日本印刷では、チラシなどの印刷物作成なども行っているため、そういった体制を生かしながら導入支援を行っていきたいです」(西田氏)
大日本印刷株式会社
C&I事業部プラットフォームサービス本部
ペイメントプラットフォーム事業開発室
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