福岡地所「キャナルシティ博多」

2015年3月12日7:00

訪日韓国人の利便性向上に向けシンハンカード決済を導入
韓国人カードホルダにとってより低い手数料でカード決済可能に

福岡地所が運営する商業施設「キャナルシティ博多」では、2014年12月16日から、決済時に韓国・SHINHAN CARD Co.,Ltd.(新韓(シンハン)カード)発行のハウスカードを利用できる仕組みを導入した。2015年2月2日からは、同社運営の「マリノアシティ福岡」「リバーウォーク北九州」「木の葉モール橋本」での利用もスタートしている。

インバウンド対応に向け決済対応を強化
韓国№1の会員数・取扱規模を誇るカードに対応

2014年の訪日外国人客は、年間で1,300万人に達する見通しで、九州においても150万人を突破すると言われている。九州では半数の旅行者が韓国人となっており、キャナルシティ博多にも数多くの旅行者が訪れているそうだ。

福岡地所では、2008年から銀聯決済を導入するなど、インバウンド対応は早い段階から強化している。福岡地所 商業事業本部 施設運営部長 下田圭一氏は、「2013年からはクルーズ船が寄港して、中国人観光客が大幅に増え、銀聯決済の取扱高が約300%に増えました。韓国人観光客についても3~4人の団体で訪れるケースが多く、非常にその数は多いという感覚がありました」と説明する。

店舗のレジではシンハンカードが利用できることをPR

日本で買い物を行う韓国人観光客の多くは、現金支払いが多いという実感があったそうだが、下田氏は、「カードホルダ負担手数料優遇やポイント優遇がある新韓ハウスカード決済が可能になったことで、より低い手数料で韓国人のお客様に利用していただくことが可能となりました」と語り、笑顔を見せる。韓国は民間最終消費支出に占めるカード決済の割合が約65%と高い。そのため、カードに対する生活者の関心は高く、カードホルダが負担する手数料については敏感に反応する人が多いそうだ。

福岡地所 商業事業本部 施設運営部長 下田圭一氏

シンハンカードは、韓国において会員数・取扱規模で№1を誇るカード会社で、発行するカードは約2,500万枚に上るという。そのうち、国際ブランドが付帯されていない「ハウスカード」は約40%を占め、これまでは韓国国内での利用を目的としたカードとして位置づけられていた。そのカードが、現地同様に国内でも利用可能となった。

新韓カードも韓国国内でカードホルダ向けキャンペーンを実施予定
多くの店舗での新韓カード決済の広がりに期待

福岡地所では九州カードと、カード発行や加盟店契約で協力関係にある。また、以前からインバウンドに対する考えは共有しており、NTTデータがCAFISを通じてシンハンカードと直接接続する仕組みを構築したことにより、導入までのスピードは速かったそうだ。さらに、既存の端末に設定を追加するだけで済み、決済処理も従来と変わらないという。

導入を記念してSHINHAN CARD Co.,Ltd.、NTTデータ、九州カード、福岡地所によるテープカットのセレモニーを実施

2014年12月16日には、導入のセレモニーが行われ、新韓カードの趙(チョ)副社長が来日したが、今後、シンハンカードではキャンペーンを行うなど、カード会員への訴求が行われる予定となっている。

「韓国国内において、弊社の商業施設で利用できることが行き渡れば、旅行で訪れた方が便利にお使いいただけます。他の店舗にとってもプラスになりますので、個人的にはかなり早い段階で普及すると思います」(下田氏)

また、福岡地所としては、「ブログなどをご覧になられるケースも多いため、そういったシーンでの訴求も検討していきたいです」と商業事業本部 施設運営部 朝川福太郎氏は構想を口にする。

福岡地所 商業事業本部 施設運営部 朝川福太郎氏

今後も福岡を訪れる韓国人観光客はさらに増えると想定されるため、「免税の取り組みも含め、より便利にご利用いただく環境を整えていきたいです」と下田氏は力強く語った。

関連記事

ページ上部へ戻る