楽天「Rポイントカード」

2015年3月6日10:30

9,775万人を誇る楽天ユーザーをリアルに送客する「Rポイントカード」
楽天カードや楽天Edyなど、グループのシナジーを生かす

楽天は2014年10月に共通ポイントカード「Rポイントカード」を開始した。サークルK・サンクス、ポプラ、大丸、松坂屋、プロント、ミスタードーナツなどが参加し、提携店舗同士の相互送客を目指している。提携社数は12社・団体、1万2,600店舗(2014年10月1日時点)となった。

楽天会員の4分の3が望んでいたサービス
スマートフォンアプリも好評

2014年10月1日のサービス開始発表会見には提携社の代表が集結

楽天 ポイントパートナー事業 事業長 笠原和彦氏は「Rポイントカードの導入は、ネットからリアルへの展開だったためスムーズだった」と話す。楽天の会員数は9,775万人(2014年12月時点)、そのうちの多くの会員情報を登録している。通常のポイントカードの場合、ポイントカードを作成・配布し、メールアドレスなどの情報を登録してもらう必要がある。しかし、Rポイントカードは、すでに個人情報を登録済みの楽天会員にポイントカードを配布するという、通常とは逆の流れとなり、共通ポイントの参入障壁は低かったという。

楽天はサービス開始前に他社の共通ポイントを利用している楽天会員へアンケートを行った。楽天が共通ポイントサービスを開始した場合は4分の3の会員が利用したいと回答したという。「つまり、7,000万人程度には使ってもらえるサービスのはず。そのくらいまではユーザー数を伸ばしたい」と笠原氏は意気込む。

Rポイントカードは1人3枚まで楽天会員IDに登録が可能だ。また、スマートフォン向けのアプリも用意されおり、アプリの利用者も順調に増加している。

楽天独自のCRMで販促をサポート
大手に加え、楽天市場の出店企業をサポート

Rポイントカードを導入するメリットは、相互送客の目的以外に、楽天独自のCRMシステムを利用できる点だ。RポイントカードのCRMは、楽天で培われたシステムをカスタマイズして開発されており、楽天市場などを含む楽天グループのノウハウが詰まっている。Rポイントカードを導入する場合は、このCRMを活用できるのが強みとなる。店頭のオペレーションが一体化して、はじめて販促にRポイントカードを利用できるようになる。

楽天 ポイントパートナー事業 事業長 笠原和彦氏

また、他の共通ポイントプログラムの場合、大手のナショナルチェーンは一業種一社が基本となっていたが、楽天では特に縛りを設けておらず、提携社のスタンスに委ねているのも特徴となる。今後は、他の共通ポイントカードとの併用も増えてくるかもしれない。

さらに、Rポイントカードは、新規提携店だけでなく、楽天市場の出店企業をサポートするツールにもなり得る。楽天市場には4万1,442店(2014年12月末時点)が出店しており、すでにリアルの店舗を持っている加盟店もあるが、ネット専業の加盟店も多い。「お客様はネットと同じポイントをリアルでも貯めて、使えることを期待している。ネット専業の加盟店がリアルに進出するための足がかりとして、Rポイントカードを活用してほしい」と笠原氏は笑顔を見せる。

Rポイントカードの導入で楽天グループとしてのシナジー効果も出てきた。多くの場合、楽天会員がRポイントカードを保有し利用しているが、今まで楽天市場を利用していなかった新しいユーザーが、Rポイントカードの保有をきっかけに楽天市場で購入し始めた。

また、「楽天Edy」とも連携しており、Edy-Rポイントカードを販売している。楽天Edyは、39万店舗以上の利用場所があるため、利用者にとっては、楽天スーパーポイントを貯める・使う幅が広がることは間違いない。

楽天Edy加盟店には、Rポイントカードの導入も促している。Rポイントカードを導入することで、今まで把握できなかった顧客情報の取得・分析もできるようになる。

「今後世の中では、それぞれの企業が、複数の共通ポイントサービスに加盟できるようになるかもしれません。そうなった時にも、お客様にRポイントカードを提示してもらえるようなサービスを提供していきたい」と笠原氏は力を込めた。

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