楽天銀行

2015年4月7日8:00

稼働率の高さが特徴の「楽天銀行デビットカード」
Visaデビットの商品性が支持され、幅広い利用者を獲得

国内でいち早くVisaブランドが付帯されたデビットカードを発行したのが楽天銀行だ。同行では、楽天銀行デビットカード」として年会費3,086円のゴールドカードと年会費1,029円の一般カードを発行しているが、会員数や稼働率などで一定の成果を上げているそうだ。また、「楽天スーパーポイント」による利用者への販促、ロイヤリティプログラム「ハッピープログラム」といったサービスを提供することで、会員との関係を強化している。

制度改定後、毎年会員数は増加
楽天スーパーポイントがフックに

「楽天銀行デビットカード」は、「審査のないVisaカード」として、同社のWebサイトやバナー広告を利用して告知を実施。Visaデビットの商品性である「現状のクレジットの限度額では物足りない人」、「カードを持てない人」、「海外での利用が多い人」などを中心に会員を獲得している。

楽天銀行デビットカード」の一般カード

楽天銀行では、以前3種類のカードを発行していたが、現在はゴールドカードと一般カードの2種類を発行している。また1人あたりの稼働率や平均単価は大幅にアップし、カードの累計発行枚数は非公表だが、会員数も制度改定後、毎年順調に伸びているという。

「楽天銀行デビットカード」のゴールドカード

楽天銀行 営業統括本部 営業企画部 カードチーム 余語圭介氏は、「Visaデビットの商品性をご理解いただければ、支持されるプロダクトであると感じています。新規の口座獲得に紐づくサービスであり、また、VisaのテレビCMの告知効果もあり、対前年比でもお申し込みは増えています」と説明する。さらに、他行でのデビットカードの発行の影響も大きいそうだ。

会員のボリュームゾーンはビジネスマン層が多いが、幅広い層に支持されている。また、年会費を徴収しているため、利用者の稼働率も高いという。1回の利用単価については、「クレジットと比較しても高い水準となっています」と余語氏は話す。カード会員の利用をみると、他のカードと併用している人も多い。「例えば、普段使いのミニマムは電子マネーですが、その上の単価で、生活導線の中で使用していただいています」と余語氏は口にする。

2010年7月に改定したポイントプログラムについては、「楽天スーパーポイント」を付与している。従来よりもポイントの還元率は下がったが、楽天の名前が付いたカードで、楽天スーパーポイントが貯まるのは分かりやすいこともあり、会員に受け入れられているそうだ。例えば、同行の口座開設や給与振込、投資信託購入、JRAへの入金などでも楽天スーパーポイントが付与される。

また、ロイヤリティプログラム「楽天ハッピープログラム」では、カード利用に応じてステージが上がり、手厚いサービスを受けることが可能だ。楽天グループでは、「楽天カード」の発行枚数が急伸しているが、商品性が異なるため、バッティングはしていないと考えている。

現状でも採算はプラスに
さらなる普及には認知度向上が必要

Visaデビットのメリットは、海外渡航時の利用シーンも挙げられる。同カードでは、Visa/PLUSが提携する海外のATMから、通常のクレジットカードによるキャッシングよりも有利な手数料で、現地通貨を引き出すことが可能だが、「このメリットはさらに訴求していきたいです」と余語氏は意気込みを見せる。さらに、スマートフォン等の普及により、海外でWi-Fiを通じて残高を確認できる。

楽天銀行 営業統括本部 営業企画部 カードチーム 余語 圭介氏

現状でも採算的にはプラスになっているが、さらなる普及に向けてはエンドユーザーへのさらなる認知度向上を挙げる。楽天銀行では、将来的にブランドデビットは必ず普及すると考えているが、まだまだデビットカードの商品性を理解していない人も多いため、関係各社と協力し、さらなる告知に力を入れていきたいとしている。

また、国内のブランドデビットの推進にはインフラ面の課題もあるが、少しずつ解消されているそうだ。現在は利用できないシーンもあるが、「Visa加盟店では将来的に利用できるような方向にしていかなければならないと個人的には考えています」と余語氏は思いを口にする。Visaブランドは全世界で利用でき、デビットカードは時代に即した商品であるため、継続してサービスを強化していきたいとしている。

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