2015年4月14日8:37
共通ポイントの第一人者として、提携企業やアクティブ会員の多さが強み
1枚のカードで電子マネーやチケットなど汎用的なサービスも利用可能に
国内における共通ポイントの先駆者となる「Tポイント」は、会員数5,196万人(アクティブ・ユニーク数)、企業数122社、提携店舗数29 万7,833店舗を誇る。最近では、「Tカード」が電子マネーとして利用できる「Tマネー」、チケットとして使用可能な「Tチケット」など、汎 用的なサービス拡充にも力を入れている。
会員の保有率と利用頻度の高さが強み
キャラクターやアーティストとのコラボカードも発行
「Tポイント」は、TSUTAYA会員証で貯まるポイントサービスからスタートした。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、2012年10月1日、Tポイントの運営事業を会社分割により分社化し、現在はTポイント・ジャパンを中心に同事業を展開している。
単純な公表数値で見ると競合の共通ポイントも勢力を伸ばしているが、「他社公表内容と比較すると、さまざまな分野に渡って利用できる共通ポイントサービス(提携企業数や店舗数が多い)ということもあり、Tカードを持っている会員の方の利用頻度が高いと認識している」と同社では説明する。例えば、2014年12月時点での月間利用会員数は3,736万人(アクティブ・ユニーク)、週間で見ても2,258万人(アクティブ・ユニーク)が利用しているそうだ。また、保有するデータベースを活用し、Tポイント提携企業などに向けた販促や出店戦略、商品開発、そしてCRMといったデータベースマーケティングのサービスを提供している。
近年では、キャラクターやアーティストとのコラボレーションにも力を入れており、ファンクラブ機能やカード保有者限定サービスといった利用価値の提供と会員数拡大を図っている。例えば、同社ではキャラクターをデザインしたTカードとして、2013年6月に「初音ミクデザインのTカード」、2014年12月8日より「妖怪ウォッチデザインのTカード」を発行している。
例えば、「妖怪ウォッチデザインのTカード」は、歴代最高記録の発行を記録。また、発行者の特徴としては、30代男女のユーザーが最も多く、次に多いのは4歳~12歳という、キャラクターデザインのTカードでは初めて、親子で持ってもらえるカードとして好評を得ているそうだ。また、Tポイントが東日本大震災被災地支援プロジェクトに寄付される、Tポイントで初めての社会貢献型Tカードとして、ピカチュウがカード券面にデザインされた「ポケモンデザインのTカード」も発行された。
アーティストとしては、2015年4月1日より、AKB48グループがデザインされた「AKB48グループ×Tカード」を、全国のTSUTAYAとファミリーマートで発行を開始する。また、ガールズ・エンタテインメント・プロジェクト“E-girls”がデザインされた「E-girls×Tカード」も両店舗で発行された。
ネットとリアルを横断したポイントを目指す
1枚でさまざまなサービスを提供
現状のリアルとネットのTポイント利用の現状としては、顧客接点はリアルが大きいため、リアルでの利用の方が多いそうだ。ただ、ヤフーと提携したことで、Yahoo!ショッピングをはじめとしたYahoo! JAPAN上での利用が可能となり、リアルとネットを横断した共通ポイントサービスを提供できているという。「今後はYahoo! JAPANの持つ媒体力を活用した新たな取り組みを行っていきたい」としている。
また、エリア戦略としては、中小店舗でのTポイントサービス導入促進や、地域で強い基盤を有するスーパーマーケットやドラッグストアとの提携を行うことで、日本全国でのTポイント提携店舗の拡大を図っているという。
さらに、Tカードがライブやイベントなどの入場チケットとして使用できる「Tチケット」を開始。チケットは、イベントやライブ・コンサートなど、Tカードユーザーとの親和性が高い興行などにおいて広げていきたいとしている。すでに、2015年3月13日に開園する新たなテーマパーク「東京ワンピースタワー」において、Tポイントサービスを提供するとともに、Tチケットサービスを提供すると発表されている。
なお、海外展開については、ロッテ免税店やインドネシアの現地旅行会社と提携している。日本から海外へ渡航する人に、渡航先でもTポイントサービスを提供することを目的に考えているそうだ。
Tポイント・ジャパンでは今後も、Tポイントに加え、Tカードが1枚あれば、ポイントサービス以外にもさまざまなサービスが受けられるような顧客価値提供を目指していく方針だ。