2015年3月16日8:50
■リクルートライフスタイル
EC事業者の利益率の高さを武器に多店舗展開を支援する「ポンパレモール」
リクルートポイントとリクルートIDをキーに、グループ全体での循環を強化
リクルートライフスタイルでは、2013年3月15日から、日常利用に特化したショッピングモール「ポンパレモール」を展開している。サービス開始から約2年が経過したが、店舗数は1,900を超え、商品数も約2,000万商品まで拡大している。
売上手数料や月額利用料を安価に設定
流通総額は前月比10~20%ペースで伸びる
「ポンパレモール」は、リクルートの各サイト利用者の日常利用を促進させることをテーマに立ち上がった。同サイトでの収益は最低限に抑え、出店者の売上手数料も他モールに比べて安価な2.5%に設定。また、月額利用料も2万9,800円と割安で、追加料金は不要となっている。同社では「ポンパレモール」をキーに、従来からサービスを提供する「じゃらんnet」「ホットペッパービューティー」「ポンパレ」「赤すぐnet」といったサービスとの相乗効果で利益を上げる方針だ。
サービス開始から2年が経過したが、「商品数の拡大に力を入れてきましたが2,000万商品を突破しました。流通総額も前月比10~20%のペースで伸びており、各店舗の売上も大きくなっています」と、リクルートライフスタイル ポンパレモールチーム プロデューサー 宮下俊氏は成果を口にする。出店店舗からは、「他のモールよりも利益率が高い」という評価を得ているそうだ。先行するモールに比べて手数料が安価で競争力があり、その分利益は大きくなるという。出店企業も他のモール同様の価格、もしくは若干安い金額で商品を売ることが可能となった。また、出店する企業についての手厚いサポートも売りとしている。
出店企業の増加に伴い、モールの認知度もアップ。多店舗展開しているECサイトが「ポンパレモール」を選択肢として入れるケースも増えてきた。さらに、ECサイト構築をサポートする企業等と連携し、セミナーも積極的に実施している。
年代や性別については、リクルートがさまざまなサービスを展開していることもあり、幅広い層が利用している。同モールではサービスの利用で「リクルートポイント」が付与される。3%の高い還元率が「ポンパレモール」の強みとなっている。また、ポイントプレゼントなどのキャンペーンも不定期に開催。ただ、利用者の特長として、ポイントの訴求力はあるが、それだけが目当てではなく、商品の良さを理解した上で購入している人が多いという印象がある。
リクルートでは「リクルートポイント」がさらにお得に貯まる「リクルートカード」を発行しているが、同カードのユーザーも多く利用している。また、「リクルートカード」会員のサイト定着率は高いそうだ。
リクルートの他サイトとの連携も強化
3月からはキャリア決済も導入へ
リクルートの他のサービスとの連携にも力を入れる。たとえば、「カーセンサーnet」はカー用品の販売ページを設けているが、掲載されている商品を購入する際には、「ポンパレモール」に遷移して購入する仕組みになっている。また、「じゃらんゴルフ」もサイト内にゴルフグッズ販売ページがあるが、同様に「ポンパレモール」と連携している。宮下氏は、「リクルートサービスとの相互送客は進んできました」と話し、笑顔を見せる。
サイトでは、売上が高く、訴求力のある商品を上位に掲載。また、メールマガジンへ人気の商品の掲載を行うことで、販促をサポートしている。なお、レコメンド機能については、他モールに比べて課題もあるため、さらに強化していきたいとしている。
決済システムは決済代行事業者のソフトバンク・ペイメント・サービスに委託している。決済手段としては、モール共通でクレジットカード決済を導入。利用者はリクルートIDを利用して登録したクレジットカードで決済が可能であり、「決済までの導線はお客様から評価をいただいています」と宮下氏は話す。リクルートIDおよびリクルートポイントを活用したサービスについては、リクルート全体で推進しており、他のサービスでも登録したクレジットカードで決済が可能だ。また、3月からは主要3キャリアのキャリア決済を導入し、今後は後払い決済の導入も検討している。
宮下氏は、「サービス開始から2年間は商品数の拡大を意識して展開してきましたが、モールとしての成長は今以上に加速すると思います。EC事業者が多店舗展開を強めていく中で、これまで大手モールに一極集中していたところを、次の選択肢として利益率の高い『ポンパレモール』を選んでいただきたいですね」と意気込みを語った。