2015年3月12日8:00
スマートフォンでタクシーを呼んで、降車時に支払い手続きが不要に
クレジットやキャリア決済、Yahoo!ウォレットなど決済手段も拡充
日本交通グループが提供している、全国47都道府県のタクシー約2万台をスマートフォンから呼べるアプリ「全国タクシー配車」のサービスを始めてから3周年を迎えた。その利便性から多くの支持を集め姉妹アプリ「日本交通タクシー配車」とともにシリーズ累計でダウンロード数は150万件を突破。決済手段としては、クレジットカードに加え、「auかんたん決済」と「ドコモ ケータイ払い」、ヤフーの「Yahoo!ウォレット」も可能となった。
アプリ経由の売上が50億円を突破
女性のアプリ利用者が近年急増
スマートフォンならではの直観的な操作性とGPS機能を活かした日本初のタクシー配車アプリ「全国タクシー配車」がサービスを開始したのは2011年12月。電話で予約したり、タクシーが目の前を通るのを待つのではなく、マップから来てほしい場所を指定するだけで、近くにいるタクシーを簡単、すぐに呼べる利便性などが支持されている。当初10都道府県13グループ、タクシー8,595台で開始したサービスも、2014年12月には盛岡タクシーや日の丸自動車など新たにタクシー会社7社と提携し、全国47都道府県129グループ、タクシー2万2,756台まで拡大した。2014年10月にはアプリ経由の配車数が200万台を達成し、同年12月にはアプリ経由の売上が累計50億円を突破した。
2つのタクシー配車アプリには、マップ上で乗車場所と降車場所を指定すると最短ルートと概算料金が検索できるルート・料金検索、対応している空港とその対象エリア間の送迎を予約すると定額料金で乗車できる空港定額を導入。送迎料金のみで時間指定してタクシーを呼べたり、各種キャンペーンで発行されたクーポンコードを入力すると、クーポン金額を割引してくれるサービス※などを提供している。
「アプリ利用者のリピーター率は高く、『日本交通タクシー配車』アプリの場合、利用回数が一定数を超えるとゴールドユーザーになり、通常会員の場合予約が1~24時間以内で可能なのに対して、ゴールドユーザーは30分前~1週間先まで可能となるなどの利点があります」(日本交通 総務財務部 部長 濱暢宏氏)
アプリの利用者は、男性が30~40代が中心、女性は30代が中心で、男性8:女性2の比率であるが、「近年女性の利用者の割合が伸びています」と濱氏は説明する。今後は、若い層や妊婦の方や育児をされている女性、日本に訪れる外国人など、新たな層を開拓していきたいとしている。日本交通 総合営業部 営業統括課 主任 根本祥陽氏も「アプリ経由での配車が増えたことにより、これまで拾い切れなかった電話での応対も可能になるなど、効率が良くなりました」と成果を口にする。
※クーポンサービスは、「日本交通タクシー配車」限定
媒体力のある企業と決済で提携
LINEがタクシー配車アプリ「LINE TAXI」を公開
タクシー配車アプリの決済方法も多様化している。例えば、事前にスマートフォンでクレジットカード情報(JCB、American Express、Diners、Visa、MasterCard)を登録した上で配車依頼をすると、降車時、決済端末処理や伝票へのサインなど支払い手続きが不要のネット決済が可能だ。クレジットカードだけでなく、「auかんたん決済」、「ドコモケータイ払い」のキャリア決済、ヤフーの「Yahoo!ウォレット」に対応した。濱氏は、「ネット決済の登録者数は非公表ですが、非常に伸びており、さらに拡大すると思います。決済サービスを提供する企業は媒体力、プロモーション力があるので、普及に期待しています」と意気込みを見せる。
2015年1月には、女性や若者に人気の「LINE」と提携して、タクシー配車アプリ「LINE TAXI」東京版を公開。外部アプリを追加インストールすることなく、LINEアプリ上から、GPS機能を利用したり、建物情報の入力を行い、乗車位置を指定するだけで、タクシーを呼べるようになった。また、事前にクレジットカードでの支払い登録を行えば、LINEのモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」にも対応する。
日本交通は、「拾うではなく、選ばれるタクシー」として顧客満足を追求している。タクシーを呼んでから降りるまでのすべての乗車体験を最高のものとするユーザーエクスペリエンスを大切にしている。2013年は母の日の一週間前にタクシーのトランクに花を用意して、乗客に販売する取り組みを試験的に行った。また、今後も多様な決済方法、サービス内容を実行して、より使いやすいタクシー配車アプリへと進化していく予定である。