2015年4月1日8:14
「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」会員の6割がWAON決済を利用
WAONが利用しやすいインフラを整え、ルームキーとしても使用可能
東京・目白の「椿山荘」や全国展開する「ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー」を擁する藤田観光が、ホテル業界初となるイオンの電子系マネー「WAON(ワオン)」を搭載した会員カード「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」を発行して早2年。確実に会員数を伸ばし、サービスの拡大化を図っている。カードの現状および今後の展開について聞いた。
会員限定宿泊プラン等の特典優待
藤田観光ポイントに加えWAONポイントも貯まる
2014年12月現在、「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」の会員数は14万6,000人。発行当初は、「藤田観光グループ・メンバーズカード」「ワシントンカード」の旧カード会員から7~8万人の会員獲得を見込んでいたが、新規会員も取り込み、確実に会員数を伸ばしている。会員数を増やすために注力しているのが、徹底したCS向上である。藤田観光のホームページに会員専用サイトを開設。割引価格・特典付きの会員優遇宿泊プランをはじめ、会員専用のプレゼントキャンペーンや宿泊モニターキャンペーンなどを随時開催し、ホテルやホテル内にあるレストランなどをお得に利用できる特典を打ち出した。
また、同カードを提示すると、署名だけでチェックインが可能になる「スマートチェックイン」サービスもワシントンホテル新宿・銀座・秋葉原・札幌・仙台・桜木町・広島で対応。ホテルグレイスリー札幌・銀座・田町の3施設では、ルームキーとしても使用可能だ。
しかし、最大の魅力はWAONで決済ができ、コンビニやスーパーでも利用できるWAONポイントが貯まることだろう。同カードを使って藤田観光グループ内の施設を利用すると、100円ごと4ポイントを基本に、藤田観光ポイントが貯まる。貯まったポイントは藤田観光グループ施設で使える共通利用券や食事券と交換できるほか、WAONポイントにも交換可能だ。さらに、WAON決済すれば、藤田観光ポイントに加え、200円につき1WAONポイントが付与される。
同カード発行後、WAON決済の割合が年々拡大し、現在、会員の約6割が利用している。あわせて、藤田観光グループ施設でのWAON決済の平均単価は1万1,800円(2014年12月現在)。ホテルの宿泊代などで利用するため、スーパーなどでの決済と比べて格段と高くなっている。藤田観光 WHG事業グループ マーケティングチーム 顧客担当部長 海老塚衛氏は、「今後は各ホテルにWAONチャージ機やイオン銀行ATMだけでなく、小額でもWAON決済ができる自動販売機などを設置して、今まで以上にWAON決済がしやすいようなインフラを整えていきたいですね」と意気込みを口にする。
また、同カードをルームキー代わりに使える機能も好評を得ており、これをさらに進化させ、レディス専用フロアに男性客が立ち入ることができなくなるようなセキュリティキーとしての利用を模索。新しくオープンするホテルからルームキーはもちろんセキュリティキーとしての機能を導入していく予定である。
ブライダルにより20~30代の会員獲得を目指す
将来的に30万会員を想定
藤田観光では「ホテル椿山荘東京」や大阪の「太閤園」をはじめブライダルとして人気を誇る施設も数多く有しており、20代後半から30代の結婚を予定しているカップルという新しい顧客開拓にも成功。彼らは結婚式を挙げ、記念日などにホテルのレストランで食事をしたり、家族が増えるとともに、家族旅行などの際にグループ内のホテルやリゾート施設や温泉などを利用するなど、ロイヤルカスタマーになりうる存在である。そこで、積極的に「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」会員になってもらうためのサービスを強化している。海老塚氏は、「例えば、藤田観光グループ施設での結婚式が決まったカップルには、小涌園やホテルグレイスリーなどの宿泊券をプレゼントして、挙式される施設だけではなく将来的にも藤田観光グループの顧客になってもらえるよう考えております」と説明する。
藤田観光は今年度創立60周年を迎える。4月には、新宿東口の旧コマ劇場跡地に次世代タイプのホテル「ホテルグレイスリー新宿」がグランドオープンするのを皮切りに、2016年春には「ホテルグレイスリー沖縄」、同年秋には「ホテルグレイスリー京都寺町(仮称)」が開業予定である。これら新ホテルがオープンするのをフックに、カード会員のさらなる拡大を目指しており、直近の目標として30万人を想定している。