ローソン

2016年4月4日9:00

プリペイド機能を搭載した「おさいふPonta」の発行によって会員の利便性を向上し、客単価・来店頻度のアップを図る

ローソンは2015年11月より、プリペイド機能を搭載した「おさいふPonta」の発行を開始した。クレジットカードと比較して申し込み手続きが簡便なことや、国内900万店のJCB加盟店でも利用できることなどをアピールして、会員の拡大を図る。ポイントカードに決済機能を付加することによって会員の利便性を向上し、客単価・来店頻度のアップを図るのが狙いだ。

JCBプリペイド機能を搭載した
「おさいふPonta」の展開を開始

ローソンは2015年11月3日より、プリペイド機能を搭載した「おさいふPonta」の発行を開始した。

ローソンでは、およそ20種類のクレジットカードや、楽天Edy、WAON、あるいは交通系のSuica、PASMOなど各種電子マネーでの決済が可能だ。一方、ポイントカードとしてはロイヤリティマーケティングが運営し、2015年12月末現在で7,300万人超の会員を擁する「Pontaカード」を導入。また、2015年12月からは、NTTドコモが運営する「dポイント」を使ったり貯めたりすることもできるようになった。

この中で、ローソンが“自社カード”と位置付けて、SCM(サプライチェーン・マネジメント)およびCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)施策の基盤にしてきたのは、ローソンで申し込みを受け付けた「Pontaカード」。ここから得られるカード会員の購買・行動データとPOSデータを組み合わせて分析し、商品開発や店づくりに生かしてきた。そのほかに、ロイヤリティマーケティングの主導による会員の相互送客キャンペーンも実施している。

現在、来店客の中で「Pontaカード」を提示する顧客の売り上げは5割を占める。さらに、クレジット機能付き「Pontaカード」会員と、ポイントカード機能のみの「Pontaカード」会員とを比較すると、クレジット機能付きカード会員のほうが客単価・来店頻度ともに高い。

クレジット機能付きカード会員をより一層、拡大して売り上げおよび収益の向上を図りたいところだが、顧客の中には、手続きが面倒、多くの情報を登録する必要があるなどの理由でクレジットカードの申し込みに抵抗があったり、そもそもクレジットカードに申し込めない中高生などの層も多い。「おさいふPonta」の発行には、そのような人たちにも保有してもらうことによって、現金払いのみのカードよりも高い客単価・来店頻度を実現できるという期待がある。

▲ローソン カード・サービス担当 坂井建夫氏

プリペイド決済は、ジェーシービー(JCB)のブランドプリペイド機能によって行われ、クレディセゾンが会員情報や紛失対応などの管理業務全般を担当する。

店頭を中心に各種メディアや
キャンペーンを活用して利用拡大を推進

「おさいふPonta」はローソン店頭、および同社のWebサイトで入会を受け付け、発行手数料・年会費はともに無料だ。入金(チャージ)は店頭では現金で、Webサイトからはクレジットカードで行うことができ、チャージ上限額は1回3万円、1カ月に10万円。Pontaポイントは通常の「Pontaカード」と同様、ローソンでの買い物では100円(税抜)で1ポイントを付与。また、国内900万店のJCB加盟店でも利用でき、この場合、500円(税込)の決済でPontaポイントが1ポイント付与される。

▲JCBプリペイド機能を搭載した「おさいふPonta」

「利用できる店舗数が多いので、“日常使いのカード”として便利に使っていただけると思います」(ローソン カード・サービス担当 坂井建夫氏)

会員拡大策としては、ローソン店頭で直接、来店客に新規入会や「Pontaカード」からの切り替えを勧めているほか、店頭で配布しているA4判の『月刊ローソンポイントカード』誌上でサービスを告知。また、「Pontaカード」会員をはじめとする「ローソンID」保有者のうち希望者に送っているメルマガでもサービス内容を紹介して、入会を促進している。

都市部では顧客の反応が良いものの、地方ではまだキャッシュレス化へのなじみが薄いため、難しい面もある。ただ、「ブランドプリペイド自体、まだ認知度が低い。市場はそう遅くない時期に拡大し、普及が進むタイミングがくると見ています」と坂井氏は語る。

2016年2月2日~22日までは、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE おさいふPonta」の予約受付を実施。クレジットカードになじみのない若年層へも便利さをわかってもらうキッカケを作る。今後も特色あるキャンペーンを企画・展開して会員数の拡大に拍車をかけていきたい考えだ。

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