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2016年3月8日0:15
接触・非接触のEMV化、プリペイド、BtoB専用決済システムの普及に注力
2020年のキャッシュレス化に向け、世界に広がるVisaのサービスの国内利用促進を図る
ビザ・ワールドワイド(Visa)は、カード偽造による不正利用の削減を目指し、EMV仕様への投資を奨励している。世界に広がる非接触ICサービス「Visa payWave(ビザ ペイウェーブ)」の国内における普及を推進するなど、リーディングカンパニーとして安心・安全な決済サービスの推進を牽引。また、Visaプリペイドや新しいBtoB決済システムによって、キャッシュレス決済のさらなる普及に取り組む。
2015年10月から国内POS取引で「EMVライアビリティシフト」適用
磁気カードからのEMV化が顕著に
偽造詐欺に関して、ICカード取引の国際標準規格(EMV)未対応のアクワイアラやイシュアに対し、ライアビリティ(債務責任)を課す「EMVライアビリティシフト」の導入が順次進んでいる。2015年10月には日本の国内 POS 取引も対象となった。ビザ・ワールドワイド・ジャパン 新技術推進部 部長 鈴木章五氏は、「対面環境でのEMV対応は、我々としても非常に大きなマイルストーンだと捉えています」と語る。
世界動向としては、POSやATMはカナダや欧州を皮切りに、アジア・オセアニアも主要国ではIC化がほぼ完了し、米国、韓国、日本が後れをとる。米国では2013年のカード情報漏洩事件を機に、国を挙げてIC化や決済端末のEMV化を推進している。韓国でもICカードの発行やATM国内取引のチップ対応が義務化された。
日本の偽造被害額は全世界の1%弱だが、近年は増加傾向にあり、被害を免れない磁気カードからEMVへの転換は喫緊の課題だ。業界全体の尽力により、発行側ではEMV対応が進んでいるものの、かたや加盟店側ではEMV化が進むエリアとそうでないエリアの明確な二極化という現実がある。
Visaがスポンサーを務める2020年東京オリンピック開催に向けて、キャッシュレス社会の実現が期待される。鈴木氏は「外国人観光客が自国で普段使いしている決済手段を、日本でもそのまま使える環境を提供することも、ひとつの“おもてなし”だと思うのです。その部分にも弊社として寄与できると考えています」と思いを語る。
現状、接触チップは4ケタのPIN(暗証番号)の入力が必要だ。鈴木氏は「日本ではFeliCaの普及によってかざす決済が当たり前になってきていることと、接客時間の短縮化を併せ持つということで、EMV化においては非接触対応が重要な位置づけになると考えています」と展望する。
EMV仕様の「Visa payWave」の非接触IC決済が国内でも期待
現金決済主流の5,000円以下の小額決済で利用伸長を見込む
日本のカード環境が大きな変革期を迎える今、「偽造対策など安心・安全な決済の推進は、Visaにとっても、加盟店様やカード会社様にとっても、決済の電子化において非常に重要なポイントだと思います」と、ビザ・ワールドワイド・ジャパン 新技術推進部ディレクター 福谷大輔氏は気を引き締める。
そうした状況下で、EMV技術に準拠した非接触IC決済サービス「Visa payWave」の国内での一層の普及が待望されている。強みは、ピッとかざすだけのスピーディーさだ。来店客のレジ滞在時間は現金が12~14秒なのに対し、「Visa payWave」では4~6秒と大幅に短縮できる 。現状、国内の5,000円以下の少額決済は9割以上が現金だという。Visaではこのセグメントの余地に期待し、キャッシュレス化を伸展する方針だ。
国内では2012年11月から対応端末が設置され、2013年5月の「OricoCard Visa payWave」を皮切りに対応カードも誕生している。「Visa payWave」は世界基準の通信規格であるNFC Type A/Bを採用。2015年6月現在、68の国と地域で利用されており、国内の加盟店はインバウンド消費の取り込みも期待できる。英国ではロンドンオリンピック開催に合わせ約14万の加盟店でアクセプタンスが整備され、オリンピック会場では唯一使える非接触決済となった。
「欧州などでは接触ICの動きから数年を経て非接触ICの動きが来たために、インフラ全体としては二重投資になっています。ところが、日本では接触・非接触の動きが同時に来ようとしている。セキュリティ対策に加えて、非接触ICではモバイルをはじめ多様な選択肢から決済方法が選べるといった利便性もプラスされます」と福谷氏は説明する。加盟店にとっても、接触・非接触を併せて導入するメリットはコスト面を含め大きいといえよう。
世界的なトレンドとして、主要メーカーの端末は磁気、接触、非接触の3つの仕様を標準装備したものが主力となりつつある。今後もその数は伸びると見込まれ、国内メーカーへの波及も予測される。
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