決済情報と顧客情報を合わせて分析
リアルな販促物に関しても豊富なノウハウを蓄積
一方、「DNP決済ID販促サービス」では、ゲートウェイセンターに集約された決済情報を、店舗ごと、あるいは決済手段ごとといったさまざまな切り口から集計・分析を行う。この結果をもとに、多様な販促施策の中から、その顧客に対して効果的だと思われる施策を選択して実施し、効果測定までを行う。
具体的なサービス・メニューは、集計・分析、販促管理、効果測定、会員管理、データ管理など。例えば販促管理では、クーポンの有効期限を設定したり、期間中に利用したか否かを可視化したり、売上・来店客数・精算回数などにどのような影響があったかを検証したりすることが可能だ。また、会員管理サービスのPOINTTACTiXと組み合わせ、会員登録・変更手続きのためのWebサイトなどが提供される。この販促サービスこそ、「DNPマルチペイメントサービス」を特徴付ける部分と言える。
DNPでは、決済情報だけでなく、POSと連携することで決済時に何を購入したかの情報も取得し、消費者の決済のタイミングで効果的に、販促・送客に利活用できる「決済連動マーケティング」を提供している。サービス全体は決済基盤、顧客情報管理、販促・送客の3つのプラットフォームからなっており、決済のプラットフォームに蓄積される情報を、決済IDを用い、マーケティング・エンジンで分析。販促サービスにつなげる。決済をゴールとするのではなく、決済情報と顧客情報を組み合わせて分析することによって、それぞれの顧客に対し、適切なタイミングとチャネルで、適切なコンテンツを届け、リアル店舗やECサイトに送客するという好循環をつくり上げるのだ。
言うまでもなくDNPでは、IT系ソリューションのみならず、リアルな販促物に関しても豊富なノウハウを蓄積している。これらを生かして、分析結果をもとにしたアウトプットは、DM、eメール、One to Oneのチラシ、レシートクーポン、CLO(Card Linked Offer)など、多様な形態から選択できることもこのサービスの魅力1つと言えよう。
例えば、電子決済による活性化のためのコミュニケーション施策としては、来店頻度が下がったハウスプリペイドカードを持つ顧客に来店周期より手前でチャージ特典日を設定する。また、チャージ特典日に来店したかを検証するといった、販促の施策効果測定を行い、次の施策に活かしていく。さらに決済手段ごとに決済傾向・購買時特性を集計・分析し、売上予測・最適化の次の施策のサポートを行う。といったことが挙げられる。これを、マーケティングオートメーションで自動化することも可能だ。また、AIを活用して、さらなる精度向上を図っていくこともできる。
経験に裏打ちされた総合力に強み
クライアント企業を多面的にサポート
DNPのICカードの国内シェアは4割以上。長らく個人情報を扱ってきただけにセキュリティ対策は万全で、安全性には自信を持っている。
また、北は札幌から南は沖縄まで、全国に14カ所のBPO拠点を構えており、多様なビジネス領域のアウトソーシングのニーズに応えられる体制を敷いている。
千葉県・柏市にはデータセンターがあり、安心・安全なプラットフォームを提供できる環境が整っている。
さらにグループ下には、金融業界向けオンラインシステムソリューションで国内№1のパッケージを持つインテリジェントウェイブや、金融勘定系システムをはじめ流通系のERPソリューション・CRMソリューションなどのITサービスを提供するシステムインテグレーターの日本ユニシスなどがある。
「われわれが持っているノウハウを組み合わせ、一連のサービスとして提供できるのが、一番のポイントです。クライアント企業は、業務ごとに複数のベンダーに発注する必要がなくなり、まとめて管理・運用ができます。トータルでもパーツでも提供は可能ですので、小さく始めて徐々に拡張するといったことにもスムーズに対応させていただきます」(大日本印刷 情報イノベーション事業部 C&Iセンター マーケティング・決済プラットフォーム本部マルチペイメント企画開発部 部長 西田真氏)
DNPではこの総合力を生かして、コンサルティング、マーケティング、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)、カードの製造・発行、BPOと、クライアント企業を多面的にサポートしていきたいとしている。
「割賦販売法の改正以降、引き合いが増えています。既存システムとの連携が必要な大きな案件も多くあります。一方、個店や、商店街との包括契約などといったニーズにも、柔軟に対応してまいります」(河西氏)
これまでさまざまな業種の3万社の顧客との取引実績を持つDNPのノウハウを活用できることも、クライアント企業にとって大きなメリット。CRM(Customer Relationship Management)戦略の一環としても、導入を検討する価値はありそうだ。
■お問い合わせ先
大日本印刷株式会社
〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
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