富士通

オンライン決済サービス「Yahoo!ウォレット」の新機能「預金払い」
「CARDNET COUPLER」でリアルタイム口座振替を可能に

ところで、ヤフー(Yahoo! JAPAN)が2016年5月にリリースした「Yahoo!ウォレット」の新機能「預金払い」は、「CARDNET COUPLER」を導入し、「リアルタイム口座振替サービス」に接続することで実現したサービスだ。そもそも「Yahoo!ウォレット」は、3,500万人以上が登録する日本最大級のオンライン決済サービスであり、「Yahoo! JAPAN ID」に支払い方法を登録しておくと、クレジットカード番号などの入力なく簡易に決済できるのが特徴だ。

リアルタイム口座振替システムイメージ

新たに加えられた「預金払い」は、銀行口座から決済代金が即時に引き落とされる仕組みで、銀行等の口座を登録しておけば、預金残高を利用してYahoo!ショッピング、ヤフオク!の支払いが手数料無料・即時にできるほか、Yahoo!マネーのチャージ手段としても利用でき、個人間送金が手軽に利用できる。ヤフーのような大手の試みが他社の弾みとなり、ひいては業界全体を動かすムーブメントとなることも期待される。

「弊社のパッケージにはCARDNETオンラインセンターのシミュレータ機能が包含されています。銀行様によっては電文のフォーマットが一部異なることがありますが、それぞれに合わせた設定をシミュレータが返してくれますので、個々に応じた設定ができます。また、異常系もテストできるモジュールや、ラッシュ(負荷)試験として大量の処理をして返すモジュールをご提供していますので、開発をスムーズに進めていただくことができました」と森田氏は振り返る。

他の新しいトピックとして、森田氏は「今までファイルで行っていた『リアルタイム口座振替』パッケージの内部処理をデータベース化し、冗長構成や負荷分散(ロードバランス)に対応できる新機能を開発して3月にリリースする予定です。重要なシステムで使われていますので、信頼性を上げるために冗長構成を図るとともに、取引量が増えた時の負荷分散も目的としています」と紹介する。

さらに、「リアルタイム口座振替サービス」の対応金融機関が増えてきたことにともない、金融機関によって異なる計画停止やメンテナンス時の処理をスケジューリングする機能も、データベースと併せて3月リリースで追加するという。機能向上への随時のきめ細やかな対応も同社の強みだ。

富士通グループの新たな取り組み「Finplex」が2016年3月リリース
デジタル革新の加速に向け、金融ソリューションを新たに体系化

ところで富士通では、金融機関のデジタル革新の加速と未来の共創を目指し、同社のデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc(メタアーク)」に対応した金融ソリューションを「Finplex(フィンプレックス)」として新たに体系化し、2016年3月より提供を開始。金融機関および金融サービスに関わる同社のソリューションパッケージやアプリケーション基盤等を体系化し、クラウドやビッグデータ、IoT、モバイル、AI等の最先端技術を融合させた「MetaArc」上から提供している。

「リアルタイム口座振替サービス」も地銀向けフロントサービスAPIのひとつとして活用が可能で、森田氏は「我々が現在担っているパッケージ機能を今後はクラウド化し、サービスとして提供できたらと考えています」と次の構想を語る。

「我々が持っているノウハウとパッケージ、ソリューションにより、このAPIを利用することで企業と銀行の即時決済ができ、かつ取引量に応じた従量課金のような形のクラウドサービスをつくりたいですね。2018年度を目処に提供開始を目指しています」と、森田氏は表情を和ませた。

※「CARDNET」は株式会社日本カードネットワークの登録商標です。

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〒221-0013
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