新たなmPOS「Link/2500」は廉価版ながら高性能
Wi-Fiと3Gに対応し、スタンドアローンの利用も可能
急速に普及するmPOSサービスも重点エリアの1つだ。スマートフォン連携のソリューションとして、Ingenicoではかねてから「iSMP」端末を展開。スタンダードタイプは専用ターミナルにiPhoneを装着して利用するもので、その最新版の「iSMP4」では、それまでBluetoothのみだった通信インタフェースが、新たにWi-Fiにも対応するようになった。
また、「iSMP」スタンダードタイプの機能を踏襲しつつ、iPhoneのバージョンに依存しない「iSMP Companion」では、mPOSのデバイスで課題だった利便性を高めるためにバッテリー容量を上げており、スワイプ回数で約1.5倍の向上も果たした。なおかつ堅牢性にすぐれ、長期使用に適している。
さらに、mPOS端末のローコストモデルとして新登場した「Link/2500」は、マグストライプ、非接触、EMVのほかFeliCaにも対応。カラーディスプレイ搭載で、拡張性や耐久性も高性能だ。通信方式はBluetoothに加えてWi-Fiと、「iSMP4」ですら未搭載の3Gにも対応している。
左舘氏は「このサイズでBluetooth以上の通信インタフェースを持ち合わせた端末は、我々が知る限り、国内にはないですね。完全に単独で動くモバイル機としての使い方も可能です。また、Ingenicoの端末はすべてPCI PTS 4.xならびに、SREDがとれているので、この端末もP2PE(Point to Point Encryption)に対応しています」とセールスポイントを挙げる。
旧廉価版機種は、バッテリーがモールド型で、寿命がくると端末ごと入れ替えねばならなかったが、「Link/2500」はバッテリー交換が可能だ。さらに「日本のPOSメーカー様に受け入れてもらうために、この端末もゆくゆくはデュアルヘッドにしたいと考えています」と中村氏は明かす。訪日観光客は特に、カードを店員が預かってバックヤードに下がることに不信感を覚える。面前決済は同端末の特性が活きる利用シーンとなろう。
2020年までに国内トップシェアを視野に
知名度向上と保守体制 の万全化を図る
国内市場における意気込みを、中村氏は「お客様に認知していただくことと同時に、保守にも力を入れたいと考えています。全台検査や、24時間の通電検査を行っていますし、販売した端末についても日本全国に拠点を持つ2社と協業体制をとっています」と語る。2020年までに国内トップシェアを視野に知名度向上と保守体制の万全化を図るという。
左舘氏は「国内の主要ベンダー様は、POSだけでなくリテール環境の全体像を把握していらっしゃいます。また、展開してきた年数が長く、デフォルトで必要なソフトウェアはすべてお持ちです。我々としては早期にキャッチアップして、すべての環境につながるソフトウェア群を取り揃えていかねばなりません」と決意を新たにする。Ingenicoグループの一員となり、加速できる体制は整った。
今後のEMV化の流れを、「私共の読みでは2018年にかけて最初の波が来て、2020年に駆け込み需要があるのではないでしょうか」と中村氏は予測する。第一波を確実に捉えるべく開発に邁進し、来年の年頭ごろ市場に投入する大型案件も進行しているという。
カード会社、大型加盟店、POSベンダーなど、引き合いは全方位から寄せられている。決済センター側も端末側も一手に持ち合わせるIngenico。すでに武器は揃っている。国内でも確実に高まるニーズを前に、いよいよ本格的な市場投入の幕が上がる。
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