モスバーガー(モスフードサービス)

2017年3月17日8:00

「スマホサイフ」で「モバイルモスカード」サービスを開始
プリペイド型「モスカード」もWEB連携などが貢献し伸張

モスバーガーを展開するモスフードサービスは2016年7月、スマホアプリ上で自社プリペイドカード「モスカード」が発行できる「モバイルモスカード」サービスを開始した。CCCマーケティングが提供する「スマホサイフ」アプリと提携したもので、現在約2万人を獲得。今後はキャンペーンなどを通じて新規顧客開拓に取り組み、発行枚数を増加させたい考えだ。また、「モスカード」も2013年に立ち上げたWEB会員登録によって、モスカード会員の利用率は高まっており、顧客分析を通じたCRM施策なども視野に入れていく。

「モスカード」は約200万枚を発行
WEB会員登録による特典で来店を促進

2012年に導入したプリペイド式の「モスカード」は全国のモスバーガーのレジで発行し、入金と決済が可能だ。3,000円以上の入金で1%相当、毎月25日からの5日間の「モスカードの日」には1,000円以上で4%相当のMOSポイントが付く。モバイルモスカードを含めると、発行枚数は現在約200万枚となる。顧客の利便性向上や来店促進、ブランディングを目指して着手し、定着したとみている。

モスフードサービス ブランド戦略室 ダイレクト マーケティンググループ グループリーダー 齊藤雅久氏

さらに2015年には、カードをWEB登録している「モスカード会員」に対して特典が受けられる「モスカードプログラム」をスタート。「モスカード」の利用実績に応じて「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」とランクアップしていく内容で、会員限定のクーポン取得やプレゼント応募などができる。現在の「モスカード会員」の登録数は約20万人となっており、一般利用客よりも来店回数や客単価は高い。一方で、モスカード未登録者の利用金額の伸びはやや鈍いという。

ランクが上がるほど来店回数が増すことから、登録するだけでランク付けされ全体の半数弱を占める「ブロンズ」会員をいかにランクアップさせていくかが当面の課題だ。そのため、約3,000軒の協力農家で採れた季節の野菜や果物を抽選で提供する施策などを実施したところ、上のランクに進む「モス カード会員」が増えている。

2014年に導入したのが「モス カード会員」向けのオンラインチャージシステムで、クレジットカードから3,000円、5,000円、1万円のいずれかを「モスカード」に入金できる。これを利用する顧客のチャージ金額は、店舗でチャージするモスカード利用者の金額よりも高いという。

初回キャンペーンで8,000枚のモバイルモスカードを発行
ポイント交換で休眠客へのアプローチなどに成功

「モスカード」を基軸に2016年7月からスタートしたのが、CCCマーケティングの「スマホサイフ」アプリを活用した「モバイルモスカード」だ。アプリ上でカード発行からクレジットカード入金、MOSポイントなどの残高照会、店舗での決済まで可能。「モスカード」をデジタル化し持ち運び不要とすることで利便性を高め、登録者の増加や継続利用の促進を図る。2015年に開始した「ネット注文」への利用についても、オーダーから決済までスマホで完結するため親和性が高いとみている。

「スマホサイフ」アプリを活用した「モバイルモスカード」

導入時にはCCCマーケティングと連携し、初回キャンペーンを実施。約600万人のT会員にメルマガを送り、MOSポイント付与などの特典によりまずは8,000枚のモバイルモスカードを発行した。

また、外部の企業と連携したモスカード新規発行にも力を入れる。モスフードサービス ブランド戦略室 ダイレクト マーケティンググループ グループリーダー 齊藤雅久氏は、「クレジットカードや航空会社などと組みポイントやマイレージ交換施策を実施したところ、既存客や新規客の利用だけでなく休眠客が再利用を始める“きかっけづくり”として役立ちました」と成果を口にする。このプラットフォームでは約8万枚が発行され、約3割の人が再入金するなどリピート利用やアクティブ購入につながっていることから、今後も連携強化を図っていく。

当面の課題は「モバイルモスカード」の認知度を高めて発行枚数を増やすことと、リピート率を引き上げていくことだ。齊藤氏は、「今後は利便性をより理解してもらえるような施策を数多く実施していきます」と説明する。

また、これまでの顧客動向データを分析することにより、プッシュ力が高いCRM施策にも着手予定。マーケティングオートメーションを活用し、「モス カード会員」への“掘り起こし”シナリオを展開することでファン化につなげていく。

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