株式会社NTTデータ

自社スマホアプリとハウス決済を連携
顧客のファン化を実現

続いて消費者の顧客接点だ。日本において、ミレニアル世代では90%以上、全人口の60%弱がスマホを保有するようになった。このスマホを強力な顧客接点と考え、会員証を兼ねた自社アプリを発行する事業者も増えている。しかしアプリで送客を図ったとしても、そのアプリに決済機能を組み込まない限り、顧客は決済の場面で財布を取り出したり、ほかの決済アプリを立ち上げたりする必要に迫られ、顧客体験が分断されてしまう。

このスマホを活用し、快適で一貫性のある購買体験を提供するとともに、顧客囲い込みの仕組みを整えたいという流通・サービス業のニーズに応えるソリューションが、「CAFIS Pitt」である。

CAFIS Pitt の利用イメージ

「CAFIS Pitt」は、自社アプリに簡単にスマホ決済機能を搭載することができるプラットフォームを提供し、自社アプリと連動したスマホ・QRコード決済を可能にする。

自社アプリに決済機能を組み込むことで、顧客への情報配信、集客・送客、決済、ポイント管理などの一連のプロセスを融合し、決済のストレスを大きく軽減。決済情報はPCI DSS準拠の環境下でセキュアに管理され、スマホアプリと加盟店決済端末間はトークン情報のみがやり取りされる仕組みだ。

「CAFIS Pitt」では『自社ペイ』としてハウス決済を提供する。多様な決済手段に対応することは、集客、新規顧客獲得のために不可欠な施策ではあるが、リピーター、優良顧客を育てるためには、ハウス決済のしくみを用意することも重要だ。NTTデータ カード&ペイメント事業部 課長代理 入倉草平氏は、「外部プレイヤーが提供している決済手段に対応することと、ハウス決済を提供することは、そもそも目的が異なりますので、その両方が必要なのです」と話す。

株式会社NTT データ IT サービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 営業統括部 ソリューション営業担当 課長代理 入倉草平氏

「CAFIS Pitt」は、決済方法としてこれまでクレジットカード、銀行口座決済に対応してきたが、2019年夏頃までに同社のプリペイドASPサービス「PaySpremeHouse(ペイスプリームハウス)」とシステム連携し、ハウスプリペイドカードへの対応を始める予定。さらに今後は、後払いなど、ほかの決済方法も追加していく計画だ。

「自社アプリを提供している流通・サービス業は元来顧客の囲い込み・育成に熱心で、一度来店・購入した顧客に再来店・再購入し続けてもらうため、これまでも様々な取り組みを実行してきました。ハウスプリペイドカードを発行するといった取り組みもその一環です。そういった課題に対し、我々は決済を含む一連の顧客購買体験におけるストレスをなくすことが重要なポイントの1つであると考えています。「CAFIS Pitt」と「PaySpremeHouse」の組み合わせによりスマホ上でカードレスのハウスプリペイドカードが発行可能になりますので、この仕組みを活用いただくことで購買時の顧客体験を分断させないストレスフリーなアプリサービスの提供を実現することができます」(NTTデータカード&ペイメント事業部課長代理 柴貞行氏)

株式会社NTT データ IT サービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 営業統括部 ソリューション営業担当 課長代理 柴貞行氏

また、ハウス決済のメリットとして見逃せないのは、決済手数料を抑制できることだ。「自社顧客を育てるには、相応のコストがかかります。既存顧客をハウス決済に誘導し、決済にかかるコストを圧縮することによって、その分をほかの施策に振り向けることが可能になります」NTTデータカード&ペイメント事業部 大歳さゆり氏は、そう語る。「日本のキャッシュレス化の進展をはばんでいる要因の1つは、店舗が抱える決済手数料の重荷。ハウス決済の導入は、その解決手段にもなり得ると考えています」(大歳氏)。

株式会社NTT データ IT サービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 営業統括部 ソリューション営業担当 大歳さゆり氏

そして、自社アプリを持つことは既に当たり前となっている中で、それをいかに顧客接点として深化させ、顧客の囲い込みにつなげるかということが新たな課題となってくる。

「そうしたお悩みをお持ちの企業様には、ポイント・会員管理ソリューションである『CAFIS Explorer』や、CLOサービスの『CAFIS Presh』など、CAFISの他の機能と連携させたアプリの設計を、併せてご提案させていただくことが可能です」(入倉氏)。

自社アプリとこれらのサービスを連携させることにより、クーポンやギフト券の配信や決済時の自動処理、詳細な商品情報の提供、レコメンデーション、キャンペーン情報の案内、ポイントの付与・交換など、多彩な機能を盛り込むことができる。その結果、購買の利便性を高めるのみならず、顧客とのつながりを深め販促効果を高めることができる。複合的なアプローチで顧客の囲い込みと更なるファン化を実現できるのである。

「CAFIS Pitt」は2018年4月のサービス開始以来、さまざまな企業で導入が進んでいる。その1つが、ららぽーとやラゾーナなどのショッピングパークを運営する三井不動産。同社の三井ショッピングパークアプリのQR決済機能「アプリde支払い」に「CAFIS Pitt」を導入し、ポイントシステムと連携したお得で便利な支払いを実現している。

また、交通、不動産、流通、サービスなど幅広い業種をカバーする120社以上のグループ企業を擁する東急電鉄では、“ひとつの東急”を実現する取り組みのひとつとして、決済とポイントとクーポンを連携させたソリューション「.pay(ドットペイ)」をNTTデータと共同開発。東急電鉄グループ内のみならず、外部企業を含め幅広く提供していく計画だ。既に導入を決めた外部企業もある。

ほかには、「CAFIS Pitt」を無人のオフィス販売に導入し、セルフ会計に利用しているなど、店舗デジタル化の一環として活用されていてるケースもある。

「CAFIS Pitt」と「CAFIS Arch」で実現する
自由で多様な購買シーンと店舗運営

「CAFIS Pitt」と「CAFIS Arch」の今後の展開として、同社ではさまざまな店舗活用シーンを想定している。

例えば、リアル店舗におけるセルフ決済。顧客が自身のスマホで商品のバーコードを読み込んだ後、商品をカートに投入。購入商品が揃ったら顧客自身で決済を完了。セルフ決済専用レーンに行き、スタッフに決済完了画面とカートの中身を提示し、商品を袋詰めして退店。顧客は一般レジの長い列に並ぶストレスなく買い物を済ませることができ、店舗側にも業務の省力化、人員削減、レジ待ちを嫌う顧客が購入をやめるといった販売機会ロスの防止などのメリットが生まれる。

また、アパレル店などにおけるスマートミラー決済も可能だ。インターネットに接続された店内のスマートミラーを使って、EC在庫を含めた商品の中から好みのものを選択。スマートミラー上で試着し、購入商品を決定。ミラーに表示されるQRコードをスマホで読み取って、決済を完了。顧客は接客のプレッシャーを受けずに、気がねなく納得のいくまで試着して商品を選ぶことができる。店舗側には、人員削減、在庫リスクからの解放といったメリットがある。

逆に接客を充実させるためのデジタルツールの活用法として、百貨店などが優良顧客向けに行うコンシェルジュ決済が考えられる。顧客はスマホアプリで来店日時を予約し、コンシェルジュを指名。当日、コンシェルジュはタブレットなどを携帯して、顧客に都度商品情報などを提示しながら、店内を回遊。店頭にない在庫はECサイトから引き当てて、購入商品を決定。顧客はアプリで決済を完了し、配送先を指定。コンシェルジュが配送手続きを行う。優良顧客に手厚くパーソナルなおもてなしをすることによって、ますますの顧客ロイヤリティ向上が期待できる。

飲食店などでは、事前予約からテーブル決済までを1つのアプリで提供することによって、スマートでスムーズなサービス提供が可能になる。

また、顧客自らがアプリを用いて購入商品のレジ登録をし、決済を完了させることで、販売員の業務が軽減するのは前述した通り。さらに決済後は、ペーパーレスの電子レシートを自動発行することで、レシートをプリントして手渡す作業も省くことができる。人手不足に悩む店舗にとって、業務を省力化できることには大きな価値がある。

いずれのケースでも、顧客はスマホ1つで優れたサービスを享受し、快適な体験を得ることができる。そして、顧客起点のサービスでありながら、店舗にもメリットをもたらすことが、「CAFIS Pitt」の大きな魅力。

上述の購買シーンに限らず、店舗側の決済端末に「CAFIS Arch」を活用することで、モバイルでも据置でも多彩な接客シーンを提供することが可能だ。

消費者の顧客接点となる「CAFIS Pitt」と店舗の顧客接点となる「CAFIS Arch」の活用で、CX(顧客体験)とEX(従業員体験)の両方を、同時に高めることができるのである。

コストを抑えて効果的な販促活動を展開
「CAFIS Arch」と「CAFIS Pitt」の連携で広がる可能性

ECの普及に伴い、消費者はECかリアルかを意識せずに購買行動を取るようになってきた。加盟店にはECとリアルの垣根をなくすOMO(Online Merges with Offline)を実現するUXとEXが求められている。さらに、個々の顧客に最適な情報を最適なタイミングで提供し、来店や購入につなげるためには、同一顧客のリアル・EC両面の購買データを一元的に管理・活用することが重要だ。しかし、EC、リアル店舗とも、顧客情報の蓄積に努めているものの、いつ、どの店舗で、何を購入したのかという情報が、個々の顧客ごとに集計・管理されていない場合が多く、「これらのデータを統合したいという声が、たくさんの加盟店様から聞こえてきています。これこそが『CAFIS Arch』と『CAFIS Pitt』が次に取り組むべきビジネスと考えています」と、株式会社NTTデータビジネスシステムズビジネスソリューション事業部 課長代理 中原敬之氏は展望する。

リアル店舗中心に接点を持つ『CAFIS Arch』と、加盟店の顧客を中心に接点を持つ『CAFIS Pitt』が連携することによって、ECとリアルの情報を一元化し、カスタマージャーニーの全貌を明らかにすることができると考える。

多くの決済手段を提供するだけでなく、質の高いCX、EXを実現し、結果として売上・利益向上にも寄与したいというのが、NTTデータの考え。

冨田氏は、「特にリアル店舗において、決済は顧客の大きなストレス要因になっています。顧客サービスとして、便利な決済環境を整えるのは当然のこと。競争優位性を獲得するための重要なテーマとして、われわれは、決済を含めた一連の顧客体験の質をいかに高めるかに重きを置いています。CAFISが35年にわたって蓄積してきたノウハウを凝縮したソリューションが発揮する効果を、ぜひ多くの皆様に実感していただきたいですね」と力強く語った。

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■お問い合わせ先
株式会社NTT データ
IT サービス・ペイメント事業本部
カード&ペイメント事業部
〒108-0073 東京都港区三田3-10-1
アーバンネット三田ビル4F
URL:https://solution.cafis.jp/contact/</

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