キャッシュレスシティ天神プロジェクト

福岡・天神で12の商業施設と9つのQR/バーコード事業者が連携

プロモーションやキャンペーンで「いちばんキャッシュレスな街」目指す

福岡・天神の大型商業施設などが参加する天神ユナイテッドは、天神エリアでのキャッシュレス推進プロジェクト「キャッシュレスシティ天神プロジェクト」に取り組んでいる。12施設・約1,600店舗でスマホ決済導入を準備し、さまざまな店舗で支払える環境をつくることで、全国に先駆け「いちばんキャッシュレスな街」を目指している。

「キャッシュレスシティ天神プロジェクト」のロゴ

エリアの商業施設が強力タッグ
マルチ決済アプリで施設の負担を軽減

天神ユナイテッドは、70年以上続く都心界(としんかい)の70周年企画として、2017年4月に設立。天神の活性化事業を行っている。世界一の買い物天国を目指した「キャッシュレスシティ天神プロジェクト」には、天神16の商業施設のうち、新天町、天神コア、天神ビブレ、大丸福岡天神店、天神地下街、イオンショッパーズ福岡店、ソラリアプラザ、イムズ、ソラリアステージ、福岡パルコ、ノース天神、ソレラ天神の12施設が参加している。また、「au PAY」、「d払い」、「LINE Pay」、「メルペイ」、「PayPay」、「楽天ペイ(アプリ決済)」、「YOKA!Pay(よかペイ)」「J-Coin Pay」「Origami Pay」の国内9つのQR/バーコード決済事業者が協力している。

同取り組みは、2018年6月に福岡市の呼びかけで、商業施設と決済事業者の引き合わせが行われた。当時、天神の各施設は、クレジットカードや電子マネーは導入していたが、数多くのQR/バーコード決済が登場する中、一部の施設を除いて導入に二の足を踏んでいたという。そのため、天神ユナイテッドでは、各施設の要望を取りまとめ、提供事業者を選定した。天神ユナイテッド プロデューサーの高橋修平氏は「各施設で決済の対応環境がそれぞれ異なりますので、それを調整しつつ、進めていきました」と説明する。

施設側の要望として、「複数の決済手段をまとめて利用できる」、「店頭のオペレーションが煩雑ではない」、「売り上げの管理や日々の集計が簡素化できる」、「コストが抑えられる」といった項目が挙がった。これを各決済事業者が共有し、条件の合ったマルチ決済アプリを採用した。施設では、決済端末やタブレットに加え、POSを改修してバーコードリーダーで対応しているケースもある。決済に必要な端末・システム改修などの環境整備は、QR/バーコード決済事業者の協力により実現した。手数料は、各施設で規模が異なるため、それを考慮して個別に決定している。

なお、イオンショッパーズ福岡店や福岡パルコといった一部の施設では、企業独自の仕組みでQR/バーコード決済の運用を行っている。

定期的なキャンペーンを続々展開
QR/バーコード決済事業者が販促に協力

2019年6月には、プロジェクトスタートの記者発表会を実施。2019 年9月から順次、天神12商業施設で利用を開始し、11月には12施設で決済環境が整った。キャンペーンアンバサダーには、女優の夏木マリさんが就任。2019年10月~2020年9月まで、天神の街でのQR/バーコード決済でさまざまなお得を提供する企画「天神スマホ決済キャンペーン・神ットク!」を実施している。2019年10月13日、14日の「スマホ決済を気軽に体験しよう!」を皮切りに、個別のキャンペーンも定期的に実施。12月14日~25日の12日間、および2020年1月11日~13日には、対象8施設でQR/バーコード決済いずれかで支払うと「天神共通お買物券」をプレゼントするキャンペーンを実施した。

天神スマホ決済案内所のロゴ

消費者に対しては、プロジェクトのポスターやPOP等を共同で作成し、レジ横に置いて告知している。また、巨大な懸垂幕を設置し、利用できるQR/バーコード決済をPR。こういった販促活動は、QR/バーコード決済事業者の支援によるものだ。

QR/バーコード決済は成長途上
キャッシュレス案内所の設置を予定

福岡は市をあげてキャッシュレス化に取り組んでおり、他の地域に比べてQR/バーコード決済が浸透していると言われる。高橋氏は、「感覚として、全体の6割が現金となり、4割がキャッシュレスで、クレジットカードと電子マネーが3割を占めています。QRコード決済は5~10%となりますが、その数は日に日に大きくなっています」と成果を述べる。今後は、天神にQR/バーコード決済事業者の利用方法を説明する案内所の設置を予定している。

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