ノイン

20代女性の支持を集める化粧品ECプラットフォーム「NOIN」
手数料0円の後払いに加えメルペイの利用が増加、売上にも好影響

ノインが運営する化粧品ECプラットフォーム「NOIN」が、20代女性を中心に支持を集めている。取扱商品数は約8,000SKU、スマホアプリのダウンロード数は約240万となり、今なお急成長を続ける。豊富な商品ラインナップに加えて、使用方法や使用感をわかりやすく動画で伝えるオリジナルのコンテンツや、SNSなども駆使したきめ細かなコミュニケーションが人気の理由だ。「NOIN」ではクレジットカードを持たない若いユーザーの利便性を考慮して、決済方法の1つとして、手数料0円の後払い決済を提供。コンビニ決済と合わせると、決済件数の半数以上に上る。また、メルペイの利用が導入時から高水準で推移し、新規顧客の獲得にも功を奏している。

NOIN 取締役COO 千葉 久義氏

日本全国の20代女性から熱い支持
Instagramには25万人のフォロワー

ノインでは、化粧品に特化したECプラットフォーム「NOIN(ノイン)」の拡充を急ピッチで進めている。2017年10月に配信を開始した化粧品ECアプリ「NOIN」のダウンロード数は2020年1月時点で240万超。取扱商品は資生堂やKOSEなどを含むメーカーの正規流通品、約8,000SKU。同社では少なくともコアな顧客のニーズをすべて満たせるようにと、これを「2020年内にも2万~3万SKUまで拡大しようと考えています」とNOIN 取締役COO 千葉久義氏は意気込む。

NOIN は誰でも自分に合う化粧品に、あたりまえに出会えるための化粧品EC プラットフォーム。アプリやWEB サイトを通じて商品の魅力を実感し、購入ができる

「NOIN」の中心顧客層は日本国内の20代女性。都市部に限らず、地方在住者も多い。

ECの弱点は商品を試せないこととよく言われるが、実店舗にも全商品のテスターが置かれているわけではない。購入を決定するに十分な情報を提供するために、同社ではテスターに代わるさまざまな手法を駆使している。

その1つが、使用方法や使用感を、動画なども用いてわかりやすく伝えるコンテンツの制作だ。例えばメイクアップの仕上がり時だけでなく、時間が経過した後の変化の様子などを、実際に商品を試したスタッフやユーザーが、使う側に立って詳細に伝える。

もう1つ特筆すべきは、Instagramのアカウント「noin.tv」。新作コスメや悩み解決法などについて毎日配信し、ECアプリ「NOIN」についての質問にも答える。フォロワー数は約25万人。インスタライブを行うとライブ中に大量のコメントが寄せられ、同社はそれら1つ1つに、ライブ中、あるいはライブ後にDM機能などを用いて返信する。千葉氏は「返信に定型文は一切使いません。店頭での接客と同様の、1対1の親密なコミュニケーションを心掛けています」と話す。その結果、「NOIN」への誘導、さらには購買につながるケースが非常に多くなっている。

決済は後払いとコンビニ払いで半数強
メルペイの利用が高水準で推移

「NOIN」の平均客単価は約3,500円。2回購入した顧客はその後にわたって定着する確率が高いため、同社では新規顧客獲得と同時に、それらの顧客を2回目の購入にどうつなげるかに腐心しているという。

ECアプリ「NOIN」では、クレジットカード、コンビニ決済、キャリア決済、後払い、Apple Pay、メルペイの利用が可能。このうち手数料無料の後払いの利用が最も多く、コンビニ決済と合わせると決済件数の半数以上に上る。

次に多いのが、2019年9月に導入したメルペイ。消費税増税のタイミングの駆け込みの最終日には決済件数の6割と驚異的な比率を記録。その後は落ち着いたというものの、利用比率は高水準で推移している。キャンペーンをきっかけに後払いやコンビニ決済を利用していた顧客がメルペイを使い始め、一方で、それまで「NOIN」のサイトを見ていたが購買に至っていなかったメルカリユーザーが、メルペイに充当されている売上金などを使って化粧品を購入するといったように、両社にとって嬉しい相乗効果が上がっている。

10代も含め顧客の大半を若年層が占める「NOIN」は、ほかのECサイトと比較してクレジットカードの利用が少ないのが特徴。クレジットカードの保有率そのものが低いためと同社では見ている。Apple Payが当初の想定より伸びない理由も、そこにあると考えられている。

「マルイウェブチャネル」に出店
エポスかんたん決済も導入

同社は、丸井のネット通販「マルイウェブチャネル」に出店することを発表。これによって「マルイウェブチャネル」で「NOIN」の取扱商品が購入できるようになると同時に、「NOIN」アプリでは、丸井グループのクレジットカード会社、エポスカードが提供する「エポスかんたん決済」の利用が可能になる。

メルペイの例が示すように、「決済手段の拡充は、顧客の利便性の向上を実現するばかりでなく、売上にも好影響を及ぼします。われわれの顧客層に合ったものから順に具体的な検討を進めていきたいと思います」と千葉氏は語った。

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