仙台市中心部商店街活性化協議会

仙台市が中心部商店街のエリア全体のキャッシュレス化を推進

日本一買い物しやすい街を目指し、キャンペーン等を展開

宮城県仙台市の仙台市中心部商店街活性化協議会は、商店街中心部のキャッシュレス化の推進により「日本一買い物しやすい街」を目指している。

一般社団法人まちくる仙台 事業管轄者 稲妻 亨氏

仙台市内の9つの商店街が連携
決済端末設置で環境整備

仙台市の中心部には、ハピナ名掛丁商店街、クリスロード商店街、マーブルロードおおまち商店街、サンモール 一番町商店街、ぶらんど~む一番町商店街、一番町四丁目商店街、本町商店街、仙台朝市 商店街、仙台駅前商店街と9つの商店街がある。仙台市中心部商店街活性化協議会(以下、協議会)は、仙台市の商店街振興組合を中心に仙台商工会議所、河北新報社、仙台市が連携して立ち上げた組織だ。一般社団法人まちくる仙台が、協議会の事務局を務める。

協議会では、仙台市、仙台商工会議所、日専連ライフサービス、七十七銀行、七十七カード、仙台銀行、NTTドコモ東北支社と協力し、2019年8月8日~9月30日まで、9つの商店街で「杜の都キャッシュレスタウンスマホでスタンプラリーキャンペーン」を実施した。2019年10月からの消費増税と、政府のキャッシュレス・消費者還元事業の開始に向け、仙台が買い物をしやすい街を目指したものだ。

具体的には、日専連ライフサービスと七十七カードが無料での決済端末設置による環境整備を行った。商店街の店舗は、両社の端末のどちらかを選んで導入が可能であり、現在も継続して整備が行われている。中でも日専連ライフサービスが提供する端末は、クレジットカードに加え、電子マネー、QR/バーコード決済を1台で処理できる利点がある。一般社団法人まちくる仙台 事業管轄者 稲妻亨氏は「仙台朝市 商店街の店舗はざるでお金のやり取りをしておりレジがありませんでしたが、20店舗で導入されました」と話す。キャンペーンに先駆け、6月にはQR/バーコード決済についての講習会も実施。経済産業省の担当者が講演したが、出席率は高かったという。

2度目のキャンペーンは気軽に参加可能に
NTTドコモのdポイントとも連携

また、仙台市では、スマートフォンを活用したスタンプラリーを2019年8月20日~9月30日に開催。利用者は、対象の店舗でクレジットカード、電子マネー、QR/バーコード、デビットカードで1,000円(税込)以上の買い物をすると、デジタルスタンプ1個を捺印。スタンプを3つ集めて応募した人に、6商店街で使える共通商品券(一等5万円分、2等5,000円分、3等1,000円分)を抽選でプレゼントした。同費用は仙台市、仙台市商工会議所、商店街で負担している。

スタンプラリーの参加者は911名、デジタルスタンプを捺印した回数は1,692回、応募者は406名となった。稲妻氏は「3回デジタルスタンプを集めなければならなかったこと、1,000円以上の買い物が必要だったこと、メールアドレスで応募しなければならないといった課題がありました」と話す。

そのため、2020年2月1日~3月15日まで開催している「杜の都キャッシュレスタウン」第二弾プロジェクトの「キャッシュレスでガラポン大抽選会」では、より多くの人が参加できる仕組みを意識した。同キャンペーンでは、中心部商店街の店舗で500円(税抜)以上のキャッシュレス決済、もしくはNTTドコモの「dポイント」を500ポイント以上利用したレシートを提示すると、ガラポン大抽選会に参加できる。稲妻氏は「より多くの人にキャッシュレス決済を使っていただき、身近に感じてもらえるようにするための取り組みです」と話す。

「杜の都キャッシュレスタウン」第二弾プロジェクトの「キャッシュレスでガラポン大抽選会」

キャッシュレス決済の相談窓口を設置
インバウンド向けの施策も検討

また、消費者がキャッシュレス決済に関してさまざまな相談ができる「キャッシュレス決済ワンストップ相談センター」を開設。仙台市がNTTドコモと連携した取り組みでは、dポイント利用による消費拡大や購買データの利活用による地域活性化を図るために、仙台市とタイアップしたデザインによる2種類のご当地dポイントカードを2月1日から3万枚(2種類、各1万5,000枚)限定で配布している。なお、仙台市とNTTドコモでは、ICTを活用したまちづくりに関する連携協定を締結しており、dポイントが利用できる仙台市の店舗は増えている。

ご当地d ポイントカードを限定配布

まちくる仙台では、2019年12月10日から、仙台市内にある百貨店の藤崎本館1階の免税カウンター前に、AI(人工知能)案内サービス「おしゃべり案内板」を設置している。日本語、英語、韓国語、中国語(簡体)、中国語(繁体)、タイ語の6言語に対応。来店者が、マイクに向かって話しかけると画面に回答情報が表示される。仙台にはタイからの直行便が就航するなど、中国以外の旅行者も増えている。まちくる仙台では、外国人観光客の免税手続きを一括して請け負う「免税カウンター」を藤崎に設置。稲妻氏は「インバウンド向けのキャッシュレス施策なども考えています」と語った。

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