ルミーズ株式会社

2021年3月9日

高セキュリティ・高品質の自動機向けマルチ決済端末「salo-01」を本格展開

PCI P2PE認定実績、国内最多を誇るノウハウが強みに

決済代行サービスのルミーズは、国際セキュリティ基準「PCI P2PE」に関する認定実績でトップ企業の強みを生かし、新型コロナウイルスの感染拡大で需要増が期待される自動精算機の分野に参入を果たした。自動精算機向けマルチ決済端末「salo-01」の販売を本格的に加速する。PCI P2PEに準拠する高セキュリティと防水・防塵・耐衝撃に優れた高品質を兼ね備えたマルチ決済が特徴であり、連携先が拡大している。

 

ルミーズは2001年にクレジットカード決済のほか、コンビニ決済、電子マネー決済、銀行決済などのさまざまな決済手段をワンストップで提供できるECマルチ決済センターとして誕生し、現在では全国8,500店舗以上の導入実績を誇る。そして、2012年には対面決済センターも新たに構築し、現在ではmPOS(モバイルPOS)や自動精算機など対面で使える決済サービスの強化にも乗り出している。

ルミーズ東京営業部 部長 谷口秀晴氏は「これまでの対面のキャッシュレス決済のCCT(Credit Center Terminal)は、加盟店側にとって使い勝手の良いものが少なかったです。『salo-01』は、加盟店側のニーズに寄り添った機能を充実させているのが特徴です」と説明する。

5国際ブランドのタッチ決済に対応

「salo-01」は、クレジットカード、電子マネー、QRコードに対応した自動精算機向けのマルチキャッシュレス決済端末で、無人販売機や駐車場自動精算機、セルフレジなどに組み込み、アプリとの連携でさまざまなサービスを可能にする。ルミーズは、「salo-01」を自動精算機メーカーに提供し、キャッシュレス精算機ごと加盟店側に納入するビジネススキームだ。

クレジットカード決済に関しては、5つの国際ブランドについては非接触ICによるタッチ決済も含めて対応している。このほか有名クレジットカードに関しては、ディスカバーにも対応可能で、銀聯カードについては、新型コロナウイルスの感染動向を見ながら、インバウンド再開の動きに合わせて手続きを進めていく方針。ルミーズ 専務取締役 佐藤有道氏は「国内で国際5ブランドすべてにコンタクトレスのタッチ決済を対応している決済端末はまだ少ない」と話す。

ルミーズ 専務取締役 佐藤有道氏

QRコード決済については、日本国内で知名度を持つ「d払い」や「PayPay」、「LINE Pay」、「メルペイ」といった主要な支払いに対応しているほか、訪日外国人客向けに「Alipay」、「WeChat Pay」をはじめとするアジア各国の主要コード決済にも対応している。CPM方式を採用しており、「salo-01」の内蔵カメラで利用者のバーコードを読み取り可能だ。

電子マネー決済については、「Suica」など交通系電子マネーには対応済みで、流通系などの電子マネーに関しては、2021年の大型連休以降にサービス提供を始める予定だ。

屋内・屋外を問わず、さまざまな場所で精算機と連動させて活用することができる。想定している利用シーンとしては、自動販売機、券売機、ホテルやゴルフ場、病院・クリニック、駐車場など。谷口氏は「最近、地方自治体の公共施設などでキャッシュレスが進んでおり、『salo-01』を券売機に組み込めないかとの問い合わせが多い。また、病院などでの活用も引き合いが増えている」と話す。

ルミーズ東京営業部 部長 谷口秀晴氏

精算機などの上位機との接続に関しては、RS-232CやUSB、有線LANなどで行う。自販機で飲料を選択すると、決済金額情報を「salo-01」に送り、「salo-01」からルミーズセンター、クレジットカード会社などを通じてキャッシュレス決済が行われる仕組みだ。上位機の動作環境に関しては、Windows、Android、iOS、Linuxのほか、券売機のようなOS未搭載のマイコンにも対応できる。

無人環境を想定した対策も強化

また、無人環境を想定したいくつかの対策を実施しているのも特徴だ。無人自動精算端末では、対面向けの端末で行う故障時のオペレーターによる修理や調整が難しい。定期的にセルフ信号を出すことにより、端末の動作状況が異常な場合はメーカーに通知が届く仕組みだ。また、QRコードを読むためのカメラを使って監視したり、GPSを利用した位置情報の検知などの機能も組み込んでいる。

防水防塵対応のため、屋内・屋外を問わずさまざまな場所で精算機と連動できる「salo-01」

PIN入力を行うデバイスに必要な「PCI PTS」認定を取得しており、屋外の無人精算機に必要な防水・防塵・耐衝撃性に関しても国際的な評価基準に準拠している。谷口氏は「IP6Xまで取得しているほか、温度もマイナス20度からマイナス60度でも可能であり、湿度も5%から90%まで結露を防ぐので、屋外駐車場の精算機やスキー場のリフトの券売機などでも利用できます」と自信を見せる。

また、佐藤氏は「ルミーズはクレジットカード決済に関し、国内PCI P2PE認定実績ナンバーワン企業です」と言う。PCI P2PEとは、加盟店の決済端末で読み取ったカード情報を暗号化し、PCI DSSに準拠した決済センターの復号化ポイントまで安全に保護するためのPCI SSCが定めたセキュリティ要件だ。

谷口氏は「自動精算機向け端末でPCI P2PEの認定を取得しているのは、現時点で国内ではルミーズだけで、高品質、高セキュリティの自動販売機の決済機能を提供できるのがルミーズの強みです」と強調する。

無人決済を行うには、本来は無人環境としての端末認証も必要になるという。これまでは、従来の端末を流用しているケースもあるといい、ルミーズは、PCI P2PEの認定を受けた高セキュリティの無人決済環境に対応するソリューションとして市場の開拓に力を入れている。

「自動継続課金」サービスなど
使い勝手の良い機能を充実

「カードお預かり」機能は、端末で読み取ったカード情報をルミーズ決済センターのセキュアな環境内に保管することができる。「お預かり」したカード情報は、従量課金やECサイトとの連携など、さまざまなシーンで活用可能だ。決済センターの運用もワンストップで提供するルミーズの特徴を生かしたサービスだ。「サブスクリプション形式のサービスを提供したい」「会員登録時にクレジットカード情報を登録したい」「現状のシステムフローを変更することなく、カード情報の非保持化を行いたい」場合などに最適となる。

「ポイントカード番号返却」機能は、端末で暗号化されたJIS2トラック情報をセンターで復号化し、ポイントカード番号のみを戻すサービスだ。クレジットカード一体型のポイントカードの場合、JIS2トラックにポイントカード番号のほかクレジットカード番号が登録されているものが多く、「ポイント番号返却」は、こうした場合に有効な機能だ。

「ネットで予約し、現地で認証するサービス」は、インターネットで予約した時に使用したカードを持参し、現地のイベント会場や店舗などでの受け取りの時、そのカードを端末にセットして読み取り、認証できる機能だ。チケット転売や第三者による不正利用を防止するほか、チェックイン手続きを簡略化することができる。

ルミーズの豊富な機能の一例。「認証サービス(ネットで予約現地で認証)」

「外貨建て決済(DCC)」は、訪日外国人客がクレジットカード決済を行う際に、「自国通貨建て」か「日本円建て」か、通貨を選択できるサービスだ。端末で読み取ったクレジットカード情報より発行国の通貨を特定し、その時点の為替レートで自国通貨に返還された実際の請求額が提示される。利用者は為替変動リスクを心配することなく、自国内と同じ感覚でクレジットカード決済を利用できる。

「自動継続課金」は、初回のカード登録だけで、一定期間ごとに決められた金額を自動的に決済する機能だ。スポーツジム、美容、鍼灸、ゴルフなどの各種会員費などについて、毎月の代金徴収を自動化することができる。会計における利便性のアップと、顧客の離脱防止を図る。

このサービスでは、毎月の課金日を自由に設定することができるほか、課金パターン(課金額、間隔、開始日、回数)を自由に設定することができる。また、1カ月、3カ月、6カ月コースなどの指定ができ、継続課金の受付と同時に、初期費用や入会金などを合わせて決済することができる。入会金無料や無料期間を設けたキャンペーンの実施も可能で、ECサイトとの会員データを連携することもできる。

「デジタルサイネージ」機能は、決済端末のディスプレイにアイドリング時を利用してデジタル広告を配信することが可能。ECコンテンツやクーポン配信など決済以外でも端末を有効活用できる。

店舗でもECサイトでも使える決済サービスを総合的に使えるルミーズの「APIにおける連携」は、オムニチャネルをはじめ、あらゆるニーズに応じて自由に組み合わせて利用できるようにさまざまなAPI群を用意しているのも強みとなる。

PCI P2PE取得を支援する
ソリューションを提供

決済システムを狙うサイバー攻撃の対応策として、PCI P2PEの重要性は高まってきている。しかし、認定取得の難易度は高く、認定端末やプロバイダーの数は多くない。ルミーズは、認定ソリューションプロバイダーとして、大手加盟店や決済事業者に対し、関連システムとサービスを提供してきた。

ルミーズはPCI P2PE関連サービス「aegise P2PE Framework」を展開している。

「キーインジェクション」は、PCI P2PEコンポーネント(Key Injection Facility)に準拠したファシリティで、決済端末のキーインジェクション作業を代行する。内製する場合と比べると、コストは最大で40%削減、要件は最大で35%削減することが可能になるという。PCI PTSに準拠した端末であれば、このサービスでキーインジェクションを行うことで、ドメイン6AnnexBに該当する「暗号鍵導入施設」の要件が削減される。2021年上期には、リモートキーインジェクションサービスをリリースする予定だ。

「クラウドHSM(Hardware Security Module)」サービスは、インターネット経由でPCI P2PEコンポーネント(Decryption Manegement)に準拠したHSM環境を利用することができる。復号化処理を行う高価なHSMを用意する必要がなくなるため、内製する場合に比べて、コストは最大40%削減、また、設定の手間が省けるので構築期間は最大で40%削減できる。このサービスを利用することで、ドメイン5に該当する「復号化環境」の要件が削減可能だ。

例えば、キーインジェクションとクラウドHSMを合わせて利用すると、コストは最大90%、工数は最大95%削減できるという。佐藤氏は「PCI P2PE要件の中核である複雑な鍵管理の要件から開放され、PCI P2PEソリューションの取得を低コスト・短期間で取得することができる」と話している。

ルミーズは、「ペイメント」「セキュリティ」「ソリューション」の3本柱を備えた企業だ。今後も、国内のキャッシュレス化推進において、多彩なサービスとノウハウを有するルミーズが果たす役割はさらに大きなものとなりそうだ。

■お問い合わせ先
ルミーズ株式会社
Tel:0570-070-789
Fax:0267-26-5316
URL:https://www.remise.co.jp/
Mail:apm@remise.jp

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