ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス

2021年3月9日

マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東に「Scan&Go Ignica」を導入
ユーザー自身がスマホで購入商品をスキャン、素早く決済を完了

マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の共同持株会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)では、スマホ決済システム「Scan&Go Ignica」を開発、グループ会社3社への導入を進めている。顧客が自身のスマホを使い、商品のバーコードをスキャン。レジを通らずスマホだけで決済が完了する。2021年2月までにグループ520店舗のうち約半数に導入、2021年度中にはほぼ全店への導入を終える予定だ。

2021年度中に全店への導入を完了
最終的に3~4割の利用を目指す

豊かで健康的な食生活に貢献することを企業理念に掲げる、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の共同持株会社、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(以下、U.S.M.H)は、Ignica(イグニカ)のブランド名で、デジタル製品・サービスの開発・提供を行っている。そのラインナップの1つ、「Scan&Go」は、スーパーマーケットなどでの買い物に使うスマホ決済システムだ。顧客はあらかじめ専用アプリをダウンロードし、会員登録を済ませておき、アプリを起動させて店舗にチェックイン。購入する商品のバーコードをスキャンし、「購入」ボタンをタップするとスマホにQRコードが表示され、これを決済端末にかざすだけで、決済が完了する。

U.S.M.H デジタル本部 部長 デジタル企画担当
満行光史郎氏

U.S.M.Hでは2020年3月から「Scan&Go」の店舗への本格導入を開始。2021年2月末までに、マルエツ72店舗、マックスバリュ関東3店舗、カスミ185店舗の計260店舗に導入。グループ全店520店舗中、ちょうど半数への導入を終えた。2021年度中(2022年2月末まで)には全店への導入を完了する予定になっている。

「決済が速い」「レジに並ばずに済む」「カートに入れた商品の合計金額がリアルタイムでわかるので買い過ぎを防げる」など利用者の評価は高く、リピーターも多いが、2021年1月末現在の「Scan&Go」の利用率は、導入店舗での決済件数全体の4%弱にとどまっている。U.S.M.H デジタル本部 部長 デジタル企画担当の満行光史郎氏は「これを2021年度末までに10%台に引き上げ、最終的には30~40%までもっていきたい」と抱負を語る。

スマホで商品のバーコードをスキャン

店舗に設置されたQR コードリーダー

デジタルクーポン機能など機能拡充
デリバリーやサイネージ機能も提供

利用を促進するため、同社では店頭での声がけなど認知度向上に努めるとともに、サービスや機能の向上を図っている。

サービス面では、「決済は速く済んでも、サッカー台で品物をマイバッグに入れ替える手間が面倒」という利用者の声に応えて、スマホでスキャンした商品をその場でマイバッグに入れ、決済が完了したらそのまま店舗を出られる形態を、フードスクエアカスミオリナス錦糸町店で2020年11月から実験中。満行氏は「お客様の反応は思っていた以上に良好で、ルールやオペレーションを整備し、このスタイルを他店にも広げていきます」と話す。

機能面では、2021年2月から「Scan&Go」アプリにデジタルクーポン機能を搭載。カスミ店頭では10%割引券の配布や、シニアを対象とした特定の曜日の割引サービスを実施しており、「『Scan&Go』でも同様のサービスを使えるようにしてほしい」という声に応えた。現在は、毎週特定日に、1週間有効のクーポンを配信しているが、今後これに加えて、シニア向けや子育て世代向け、誕生月祝いなどのクーポンの配信を計画している。

Ignicaのラインナップは現在4つ。その1つ、「Online Delivery Ignica」は、空き時間に自宅や外出先からスマホアプリで食料品や日用品を注文しておき、自宅や希望の届け先に配送、または、最短1時間で店頭や店舗駐車場で受け取りができるサービスだ。2021年2月現在、カスミおよびマックスバリュ関東の計13店舗が導入している。同社ではこの付加サービスとして、非接触の店頭受取サービスを開発。顧客がスマホを使って無人のピックアップルームの鍵を開け、注文した品物を受け取れるようにした。また2021年度の早い段階で、リアルタイムの在庫を確認できる機能の実証実験を、カスミで開始する予定である。

また「Ignicaサイネージサービス」は、リアル店舗のAIカメラ付きデジタルサイネージを活用した広告配信サービス。これを、位置情報を取得できる「Scan&Go」と組み合わせて活用すると、来店した顧客にデジタルサイネージで購買履歴に基づく関心のありそうな商品の広告を提示した上で、その商品の売り場まで誘導するといった販促策を講じることが可能になる。

ラインナップが揃い、グループ各社への導入が進む。今後は外販にも力を入れていく意向だ。

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