飛驒信用組合

2017年4月25日8:00

ブロックチェーン技術を活用した電子地域通貨のプラットフォームを導入
スマホで利用できる「さるぼぼ倶楽部コイン」の商用化を目指す

飛驒信用組合は、地方創生の取り組みとして、スマートフォンアプリを活用した電子地域通貨のプラットフォームを導入する。第一弾として2017年春、飛驒信用組合の職員を対象とし、電子地域通貨「さるぼぼ倶楽部コイン(仮称)」を導入し、商用化に向けた実証実験を行う。同実証実験を通じて、技術、セキュリティ、法制度や運用面における課題を抽出・検証し、夏の実現を目指す。

地域限定で利用できる地域通貨 導入はさるぼぼ倶楽部の加盟店から開始

「さるぼぼ倶楽部コイン」は地域限定で利用できる地域通貨だ。ユーザーはスマートフォン上で利用できるため、地域通貨の印刷・流通コストを減らすことが可能だ。また、現金でコインをチャージし、加盟店での支払いをキャッシュレスで行うことができる。コインにはプレミアムを付与することで普及を促進させるほか、有効期限を設定することで、コインを眠らせることなく、一定頻度での利用につなげる。一方、店舗側は導入に際し、決済端末等の大規模なシステム投資が要らず、クレジットカードなど他決済システムと比べ初期費用や決済手数料を低く抑えられるという。

「さるぼぼ倶楽部コイン(仮称)」利用イメージ。アイリッジとの協業により実現する

なお、導入については、飛驒信用組合が提供するさるぼぼ倶楽部の加盟店(さるぼぼ倶楽部ファミリー店)からスタートするという。「さるぼぼ倶楽部」は、飛驒信用組合の組合員とその家族が、申し出により倶楽部会員となり、加盟店(さるぼぼ倶楽部ファミリー店)でお得なサービスや特典を受けられる会員制の優待サービスとなる。

営業地域内人口(高山市、飛騨市、白川村)が11万6,143人のなか、さるぼぼ倶楽部会員数は2万9,975人を有しており、ファミリー店数は266店舗である(2016年10月時点)。

2017年春に職員が実証実験
地域住民、国内・外国人観光客への展開を想定

今後の予定として、2017年春の職員での実証実験後、地域住民、国内観光客への展開を考えており、その後外国人観光客への展開を想定している。また、仕組みについては継続的に改善していく方針だ。

「資金決済法の資金移動業、または銀行業法の為替業務、いずれのケースにおいても金融機関が保証もしくは運営主体であることが必要であり、金融機関が主導することのメリットは大きいと考えています。また、運用面でも地域に根差した金融機関である信用組合が主導することで加盟店への導入や利用促進などを、一歩踏み込んでサポートできます」(飛騨信用組合)

なお、飛騨信用組合では、新たな金融サービスに取り組んでいるが、「現在、IT技術を使った新しい金融サービスが広がりを見せており、お客様のライフスタイルや嗜好が変化していく中で、当組合の金融サービスも変わっていかなくてはなりません。最新のIT技術への知見を深め、お客様にとって便利で快適、そして安心・安全な金融サービスを目指して取り組んでいきます」としている。具体的なサービスとしては、ビッグデータマーケティングやトランザクションレンディングなどに注目しているという。

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