ポイントビジネスの最新トレンド

今後のポイントサービスの注目点

Tポイントがネットとリアルで共通化したのをきっかけに、ポイントの使い勝手が大幅に向上した。

この、ポイントの使い勝手の向上という意味で、さらに進化したのが国際ブランド付きプリペイドカードの登場だ。火付け役は2014年5月に開始したau WALLETだ。auの利用料金で貯まるポイントがauポイントからWALLETポイントに切り替わり、au WALLETプリペイドカードにチャージすることができるようになった。機種変更などでしか利用できなかったポイントが、世界中4,800万ものMastercard加盟店で利用可能となった。

国際ブランド付きプリペイドカード発行の流れは続き、2016年11月にはdカード プリペイドが誕生。au WALLETプリペイドカードと同じくdポイントをチャージすることでMastercard加盟店で間接的にポイントを利用できるようになった。2017年3月にはPolletカードが発行され、ポイントサイト「ハピタス」のポイントをVisaプリペイドカードにチャージできるようになり、「ワラウ」「ちょびリッチ」「ポイントインカム」のポイントもPolletカードにチャージできるようになった。

Tポイントは2017年7月末時点で175社72万5,882店舗が加盟しているが、VisaやMastercard加盟店は、この数十倍の加盟店がある。国際ブランド付きのプリペイドカードの登場でポイントは通貨に近づいたといえる。

さらに、ポイントでの投資もめざましい。2016年12月にはクレディセゾンの永久不滅ポイントが「ポイント運用サービス」を開始。ポイントを疑似運用し、投資信託に連動してポイント数が日々増減する。ポイント運用サービスに近いサービスが2017年12月から開始した「STOCK POINT」だ。サイバーエージェントの運用するポイント交換サイト「ドットマネー」からポイント交換すると、指定した株価に連動してポイント数が増減する。ポイントはドットマネーに交換することもできるが、実際の株券に交換することもできる。

インヴァスト証券は、インヴァストカードを新たに発行し、クレジットカードの利用で貯まった1%のポイントが自動的にETFで投資されるサービスを開始。楽天証券は楽天スーパーポイント(通常ポイントのみ)で投資信託の購入に充当できるサービスを開始し、どちらのサービスでも売却すればポイントを現金化することも可能となる。

限りなく通貨に近づいているポイントだが、問題は規制が入ることだろう。ポイントは発行するのに登録なども不要だ。企業側が自由に設定できるため、導入しやすく使い勝手が良い。しかし、規制が入り、ポイント発行やポイント付与レートの変更などが自由にできなくなった場合、今までのようなポイントブームは去るだろう。

今後もポイントはさらに通貨に近づくサービスが誕生するだろうが、ポイント=通貨とならないような微妙なバランスが必要になってくる。

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